熱波で死者も、北米襲うヒートドーム現象の恐怖 猛烈な暑さと高温は7月4日まで続く見通し
ポートランド国際空港の6月27日の最高気温は華氏112度(摂氏約44度)、月曜日は華氏115度(摂氏約46度)であった。6月28日の最高気温は1940年に同地域の観測が開始されて以来、最も高い気温となっている。
27日にカナダのブリティッシュ・コロンビア州の小さな町の気温がほぼ華氏116度(摂氏約47度)に届いた事で、84年前に記録されたカナダの最高気温記録が約華氏3度差で破られた。
北西部とは異なる気象配置下にある北東部もまた、7月1日に終わると見られている3日間の熱波の真っ只中だ。ボストンは月曜日に華氏97度(摂氏約36度)に達し、同日の記録が並んだと国立気象局は発表している。
7月6日までは平年より高温に
なぜ北米は例年よりも熱いのか?
1900年以来、世界中の気温が摂氏1度(約華氏1.8度)以上上昇したというのは周知の事実であり、ここ数十年で温暖化のペースは加速している。気温の基準線の上昇が異常気象事象の一因となり、猛暑の頻度、期間、強烈さを助長しているのだ。
熱波はいつ終わるのか?
気象予報士たちは太平洋北西部では来週まで季節外れの暑さが続くと述べている。
ポートランド国立気象局の気象学者であるクリントン・ロッキー氏は、ポートランドでは気温がやや穏やかになっているが、週の後半には華氏80度台半ばに達することが予想されていると述べた。少なくとも7月6日まで、気温は平均より華氏10度から20度高いままとなる見込みだ。
起こりうる停電に対してはどう対策するのか?
今月まで過去100年間で正式な気象測候所が華氏100度以上を記録した日数が3日間しかなかったシアトルでは、多くの住民たちが直近でエアコンを購入した。太平洋岸北西部で大規模な停電は起きてはいないが、建物の冷却や除湿に用いられるエネルギー需要の増加により、配電網が過負荷となる可能性がある。
需要を抑えるには設定温度を数度上げ、窓の日よけやブラインドを閉じる事だ。最も暑くなる時間帯はオーブンや洗濯機、乾燥機といった大型家電の使用を避け、使っていない照明や電化製品は電源を切る。家庭で消費される電力の内、水の加熱が18%を占めていることから、エネルギー省はより短い時間で、温度の低いシャワーを浴びるよう勧めている。
(執筆:Adeel Hassan記者)
(C)2021 The New York Times News Services
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