運賃高すぎ北総線、ついに「値下げ」可能性が浮上 累積損失解消にメド、地元「大きな一歩」と歓迎
高額な運賃で知られ、「財布を落としても定期落とすな」とまで言われる鉄道で「値下げ」の可能性が出てきた。
千葉県の北総鉄道は6月23日、累積損失の2022年度中の解消にメドがついたとして「運賃値下げの可能性の検討に着手」すると明らかにした。千葉ニュータウンと都内を結ぶ同鉄道は他路線と比べ運賃が割高なことから、沿線自治体や住民らによる値下げの要望が長らく続いてきた。
同鉄道が自社で運賃値下げについて言及するのは「今回が初めて」(同社企画室)。現状では「可能性の検討」であり、時期や値下げ幅、さらに実施するかどうかは今後の検討次第だが、沿線の悲願がかなう日が少し近づいてきたといえそうだ。
沿線住民を悩ませてきた高い運賃
北総鉄道は、京成線の京成高砂(東京都葛飾区)から小室(千葉県船橋市)を経て印旛日本医大(同県印西市)まで約32kmを運行する京成グループの鉄道。京成電鉄のほか千葉県などが出資する。千葉ニュータウンの足として1979年に最初の区間が開業し、その後1991年に京成高砂までの全線が開業して都心直通路線となった。
同鉄道の線路には、北総線の列車のほかに京成の成田空港アクセス列車「スカイライナー」や「アクセス特急」が走っており、これらは京成が北総に使用料を支払って線路を共用している。また、北総の運行路線のうち小室―印旛日本医大間は京成の完全子会社である「千葉ニュータウン鉄道」が線路や施設を保有しており、北総は同社に使用料を払って運行している。
北総線は京成線・都営地下鉄浅草線に乗り入れて日本橋や新橋など東京都心部に直結し、さらに京急線にも直通する通勤ルートだが、沿線住民を悩ませてきたのは他路線と比べて大幅に高い運賃だ。
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