新鎌ヶ谷駅は千葉県民の「森林愛」に満ちている 駅舎リニューアル時に地元の山武杉を活用

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新鎌ヶ谷駅では駅舎リニューアル時に千葉県産の木材が各所に採用された(筆者撮影)

新鎌ヶ谷駅は北総鉄道北総線、京成電鉄成田スカイアクセス線、新京成電鉄新京成線、東武鉄道アーバンパークラインという千葉県鎌ケ谷市内を通る4つの鉄道すべてが乗り入れる総合駅だ。

その歴史はさほど古くない。1991年、北総線の北総・公団線京成高砂―新鎌ヶ谷間が開通したのに伴い開業した。翌1992年には新京成線の新鎌ヶ谷駅も開業し、北総線の隣に連絡改札口が設置され、駅舎を共有するようになった。

それから27年後の2019年、新京成線の高架化事業の進捗に伴い、新京成専用の駅舎の全面リニューアルが行われた。本稿で紹介したいのはこの新しく出来上がった新鎌ヶ谷駅舎に設けられた「STATION LOUNGE(ステーションラウンジ)こもれび」である。

駅舎リニューアルは未経験

改札を抜けると広々としたコンコースに、木の香り高く木目が美しいベンチがユニークな形でレイアウトされている。このベンチには千葉県産の木材「山武杉」を使っているという。

筆者が取材のため同駅を訪れたのはまだ国内に新型コロナウイルスの感染者がほとんどいなかった頃だ。近所から来てお弁当を広げる人、改札から出てくる人を待つ子供、旅行に行くのだろうか大きなキャリーバッグを持ちひと休みする人など、利用客でにぎわっていた。

駅舎のリニューアルという事業は鉄道会社ならば何度となく経験し、ノウハウを持っていると思うかもしれない。しかし北総鉄道にとって駅舎の全面リニューアルは初めての事業だった。

会社始まって以来の駅舎リニューアルを手探りで実現させたのが、企画室の伊藤隆広氏と技術部工務課の吉成真氏だ。

新鎌ヶ谷駅舎のリニューアルが決まったとき、社内からたくさんの要望が出たという。複数の鉄道が交差する市内唯一の乗り換え駅なことをふまえ、北総線利用者以外の人々も集える場所を作り地域住民に貢献したい、という意見が多かった。

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