ハンズ「公式Twitter」が毎朝同じ投稿をする理由 ジョブズ式「テンプレ術」で迷う時間を短縮!

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2019年11月には、こんなツイートから1日を始めました。

おはようございます。東京都内は晴れ。朝晩はしっかり冷え込むようになってきました。いよいよあったかグッズが恋しい季節。東急ハンズで、選んでください。
では、今日も一日はりきって行きましょ~!

すると、フォロワーさんから即、次のようなリプライがありました。

今日は足元がベチャベチャで靴にも浸透。
(中略)
おはようございます。

「足元がベチャベチャで靴にも浸透」というフレーズを見逃す手はありません。フォロワーさんがいままさに困っているのです。ハンズにはこういうとき、役に立つアイテムが山ほどある!

私はすぐこう返事をしました。

そういう時に便利なシューズカバーとか売ってるお店、知ってますよ。東急ハンズ、っていうお店です。
さりげなく、東急ハンズがどんなものを売っているお店かを伝える。こういった気さくなコミュニケーションが共感をよぶのかもしれない(写真:東急ハンズ公式ツイッター担当者(@TokyuHands))

買ってくれたかどうかはわかりません。でも、東急ハンズがどんなものを売っているお店かは伝えられました。このやりとりを、どこかで思い出してもらえるだけでも十分です。朝のあいさつツイートから自社の商品を(押しつけがましくない流れで)ご紹介した事例です。

ちなみに、私は朝のあいさつの最後を

今日も一日はりきって行きましょ~!

と締めることが多いのですが、これは自分を鼓舞する意味合いもあります。

朝イチのツイートは、例えるなら舞台袖から本番の舞台に出ていく役者さんの心持ちでしょうか。緊張感の中「よし、行くぞ」と自分に気合を入れる、そんな気持ちです。

フォロワーさんにごあいさつしながら、自分にも気合を入れて今日1日のスタートを切る。これは習慣づけとしても効果的です。

「テンプレ」で楽になる

迷ったら型を決める。かのスティーブ・ジョブズも、服を選ぶときにそうしていたそうです。彼はイッセイミヤケの黒のタートルネックをいつも着ていました。そして、あのスタイルは彼のシンボルになりました。

『共感で広がる公式ツイッターの世界:東急ハンズ流企業アカウントの育てかた』(三笠書房)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

いくらでも洋服を買えそうな彼がいつも同じ服に身を包んでいたのは、ブランディングであると同時に意思決定に要する時間を省くためだったと。

いったん決めてしまえば、もう迷うことはありません。とにもかくにも、最初に型を決めてしまうとずいぶん楽になります。

私もあなたも、スティーブ・ジョブズにはなれませんが、彼と同じルーティーンを採り入れていると思うと、何だか少しうれしくなりませんか?

東急ハンズ公式ツイッター担当者(@TokyuHands)
とうきゅうはんず こうしきついったー たんとうしゃ / TokyuHands official twitter

1995年東急ハンズに入社。店舗、情報システム、営業企画などを経て、IT企画部在籍中の2009年に、東急ハンズの公式ツイッター「中の人」としてソーシャルメディア戦略に深く関わる。同年ツイッターを利用した商品検索サービス「コレカモネット」の開発に携わり、2010年より「東急ハンズネットストア」店長としてEC事業を推進。その後、店舗や営業企画部でリアル店舗のマーケティング戦略立案を牽引した後、デジタル戦略部でデジタルマーケティングやDX戦略に携わり、現在に至る。また、SNS担当者向けのセミナーや講演会で講師を務めるなど、企業の公式ツイッター“第一世代"を代表する「中の人」として、各社から注目を集める。

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