東急ハンズのツイートが予期せずバズった深い訳 「はやりのハッシュタグ」に乗っかってもダメ

拡大
縮小

一連のツイートの第1弾についた「いいね」は1.7万件、リツイートは1.4万件。結果的に「バズる」ことになったのです。

(写真:筆者ツイッターより)

さて、このツイートが「バズった」のは、どうしてなのか。

まず私に、その情報を教えてくれたフォロワーさんの存在がありました。東急ハンズなら何とかしてくれるのではないか。ぜひ力を貸してあげてほしい。おそらくそんな気持ちから、私に一報をくれたのだと思います。ツイッターのフォロワーはお客さまではなく友達である。

私はいつも、こんな気持ちで公式アカウントを運営しています。

いい話に宣伝は不要

この一連の出来事に最も貢献したのは、私よりも早く情報をキャッチし、すぐに買い付けに動いたバイヤーです。バイヤーの行動力があったからこそ、最初のツイートからわずか4日後に、弊社のラインナップにグリーンノートを加えることができました。もし1カ月後に「グリーンノート、入荷しました」とツイートしても、何の話題にもならなかったと思います。

『共感で広がる公式ツイッターの世界:東急ハンズ流企業アカウントの育てかた』(三笠書房)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

一連のツイートでは、できるだけ事実の告知(グリーンノートの種類や販売店など実務的情報の紹介)に努めました。商品の紹介ではありますが、宣伝の意図は入れていません。

誰かを助けたいという多くの方の思いに応える、といういい話の流れに、宣伝は不要です。注目されている話題を自社の宣伝のために使っても、決してバズらせることはできません。

このとき、フォロワーさんたちからは、

「こんな仕事をするハンズが、今までよりももっと好きになりました」

「フットワークの軽い東急ハンズさん、カッコいい」

といったツイートをたくさん寄せていただきました。これらの声はバイヤーと共有し、スタッフ全員の励みになったのは言うまでもありません。

何かあれば期待を寄せてくれるし、応援もしてくれる。そうしたフォロワーさんたちとつながることができる。これこそがツイッターの力なのです。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT