日本に住む外国人憤慨させる「政府アプリ」の正体 日本人ならダウンロードできることへの恐怖感
在留カードは日本に3カ月以上滞在した外国人に発行されるもので、2020年時点で、日本にはおよそ258万人もの在留カード保持者がいる。カードの偽造件数は増加傾向にあり、2015年369件だったのが、2018年には620件に。一部の偽造カードはこれまでのインターネットをベースとしたカードの有効性を確認するためのシステムを欺くことができると判明している。
アプリのターゲットは外国人労働者を雇用する経営者だが、ネット上で簡単に見つけて誰でもダウンロードできるほか、鉄道駅構内にはアプリの広告も貼ってある(広告は経営者が使用するものだと明示している)。2021年5月末時点でのアプリのダウンロード数は4万回に上っている。
公共の場で「宣伝」することの危険性
私はこのアプリの広告や配布方法は、非常に深刻な問題があると考えている。
まず挙げられる、最もはっきりとした問題は(もし入管がこのことに思い当たらなかったのだとしたら、それはとても驚くべきことだし、深く懸念を抱かせることでもある)、アプリを公共の場で宣伝することは差別と偏見を助長するということだ。
実際、地下鉄内の広告がツイッターで拡散され始めてから、SNSでは多くの懸念の声が聞こえるようになった。
例えばあるツイッターユーザーは、「この問題で重要なのはポスターのメッセージではない。これが誰でもダウンロードして利用できること、広告が経営者ではない多くの人々にもその存在を知らしめるような場所に貼られたということだ」と懸念を示す。
一方で、「日本の不法移民の管理はあまりに弱い。日本が管理を強化するときが来たのだ。犯罪者であろうがなかろうが、不法移民は多い。日本に合法的に滞在しているなら、堂々としてこんなものは無視すればいい」という声もある。
「見せ方に問題がある」と話すのは、調査ジャーナリストで、『トウキョウ・バイス』の著者であり、日本サブカルチャー調査センターの創設者であるジェイク・エーデルスタイン氏だ。
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