1年で激変!「命令」をやめた組織で起きたこと 米海軍で屈指の潜水艦艦長が見せた圧巻の改革

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このリーダーシップモデルでは、人は2種類に分けられる。リーダー(命じる者)と部下(命令に従う者)だ。今日におけるリーダーシップに関する研究や、私たちが学び実践することの大半は、リーダーが部下に命じるという構造に基づいている。

リーダーが部下に命じるという構造では、実に多くのことを成し遂げることができる。そのリーダーが優秀であればなおさらだ。農業の発達と普及も、エジプトのピラミッドも、産業革命時代の工場も、すべてこのリーダーシップ構造が可能にしたものだ。

リーダーが部下に命じるというやり方があまりにも大きな成功をもたらし続けてきたからこそ、それは私たちの目に魅力的に映り、やめることができないのだろう。

しかし、このモデルが発達したのは、主な仕事が肉体労働だった時代だ。物理的な作業を効率よく行わせることに主眼が置かれている。6人でこぐガレー船ならそれでも問題ないだろうが、原子力潜水艦を動かすとなればそうはいかず、想像力や自発性がすべてとなる。

私がサンフィッシュで感じた喜び

原子力潜水艦では、技術的な専門知識がリーダーシップの基本となる。私が新人士官として初めて乗った攻撃型原子力潜水艦サンフィッシュの艦長は、その哲学を体現する人物だった。

しかし、次に就任したマーク・ペレーズ艦長は違った。大西洋に出て通常訓練をつつがなく行っていたある日のことだ。私は潜望鏡で大型商船を発見した。ソナー員がその存在を音で確かめようとしたが、通常モードの潜水艦では、音の「受信」しか認められていないため、船までの距離が正確にわからなかった。

私はソナー班の班長に、冗談めかして、アクティブ・ソナーを使って商船にピン(音)を打てばわかるじゃないか、と言った。潜水艦がピンを打つことはめったにない。

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