新生銀行の“失われた10年”、巨額赤字で再生は道半ば


 日本人行員ですら唖然とした事例がある。08年9月に、ようやく経営陣は経費削減を行内向けに発表。出張費、事務用品費など伝えられた節約の内容は、広範に及んだ。その中に「外国人スタッフ向け」という扱いで、会員制クラブの「東京アメリカンクラブの会費は各自負担」といった項目があった。入会金220万円、月会費2万2000円の高級クラブの費用も、会社が負担していたのだ。

しかしその後も、特定の外国人行員たちへの高給体質は変わらなかった。亀井静香・金融担当相が14日の決算発表前に「1億5000万円とか、そういう報酬をずらっと取っている」と苦言を呈したことでもうかがえる。そして亀井担当相はこう続けた。「2期連続で、あんな(大赤字決算の)状況では、再生できているとはいえない」。

あおぞらとの格差拡大

新生銀行の誕生に先立って、政府が公的資金で十分に満たした自己資本も減少している。国内基準の自己資本比率は8%だが、新生銀行は8・35%とギリギリ。

片やあおぞら銀行の自己資本比率は14%で、格差は明らか。合併計画発表の際に強調された対等合併は、もはやありえない。対等どころかのみ込まれる立場となることに、新生側はすくんだ。合併破談の背景で、こうした事情が微妙に絡んだことは間違いない。

連続赤字で合併話も消えた新生銀行。誕生から10年目を迎えたが、国民が期待した姿からは程遠い。再び銀行再生劇を第一幕からやり直さざるをえない状況にある。

今回の異動で、多くの外国人幹部たちも辞任する。社長就任予定の当麻茂樹氏(元みずほコーポレート銀行常務)などの新経営陣がいかに「失われた10年」を取り戻していくのか。くしくも、新生銀行失敗のタネをまく結果となったポルテ元社長がしばしば口にした、キャッチフレーズ「ゲーム・チェンジャー」という言葉が、今ほど求められている時はない。

■新生銀行の業績予想、会社概要はこちら

(浪川 攻 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2010年5月29日号)

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