「視聴率は低くても満足度が高い」ドラマの共通点 「大豆田とわ子」が好例、注目の新ドラマは?
『大豆田とわ子と三人の元夫』は、松たか子演じる主人公とその元夫3人を中心にした大人の恋愛ストーリー、『コントが始まる』は、菅田将暉、神木隆之介、仲野太賀の3人が演じる売れない芸人トリオに、そのファンである有村架純らが絡む青春群像劇というように、ジャンルも内容もそれぞれ異なる。共通点があるとすれば、前者が坂元裕二、後者が金子茂樹という定評のある脚本家のオリジナルストーリーであることだ。
つまり、両作品の満足度を上げた大きな要因は、脚本のクオリティに裏打ちされた作品としての完成度の高さということになるだろう。ともに毎回見ていないと、セリフや物語に込められた意味やメッセージを深く味わうことができないような作品である。その分、見る側にとっては集中力を要求され、気軽に眺めるというのは難しい。だが、それに見合うだけの感動が得られる。それが満足度の高さにつながる。
原作ものは「再現度」が重要
一方、別の理由から高い満足度を獲得した作品もある。たとえば、深夜ドラマ『ゆるキャン△2』(テレビ東京系)がそうだ(『オリコンニュース』2021年4月30日付記事)。
女子高生仲間のユルいアウトドアライフを描いたこのドラマ、第1期では、原作漫画の再現度の高さが話題になった。第2期となる今回も、主演の福原遥らが、見た目だけでなく原作の空気感を絶妙に再現していて、それが高い満足度につながったと言える。
ほかに『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京系)も、主演の中村倫也が原作漫画の主人公に似ていると話題になった。特に近年は漫画原作のドラマが増え、再現度がひとつの評価基準になる傾向が強まっている。漫画とドラマは別物という考え方もあるが、特に原作ファンにとっては、イメージを崩さないという意味で再現度が大事なポイントになってくる。そうなれば当然作り手の側も、再現度をより意識せざるをえない。
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