「視聴率は低くても満足度が高い」ドラマの共通点 「大豆田とわ子」が好例、注目の新ドラマは?
このように満足度が重視されるようになった背景としては、SNSの発達によって視聴者の生の声が届きやすい時代になったことがあるだろう。Twitterなどを見るとドラマについてツイートするひとは多く、放送中のドラマ関連のワードがトレンドに入ることもごく普通になっている。
そうしたドラマ関連のツイートは、大別すると2つに分けられるように思える。
ひとつは、俳優個人のファンによるツイートである。特にジャニーズのタレントが主演するドラマなどでは、そうしたツイートが多くなる。今期も櫻井翔主演の『ネメシス』(日本テレビ系)、横山裕主演の『コタローは1人暮らし』(テレビ朝日系)、有岡大貴主演の『探偵☆星鴨』(日本テレビ系)など、ジャニーズ主演のドラマがあった。もちろんジャニーズ以外でも、人気の若手俳優が出演するドラマではそうしたツイートが増え、トレンド入りするケースも珍しくない。
もうひとつは、作品の内容についてのツイートである。
たとえば、TBS火曜夜10時のラブコメ路線の作品では、二転三転する恋愛模様に一喜一憂する視聴者のツイートによってバズるケースは少なくない。今期の川口春奈と横浜流星が共演した『着飾る恋には理由があって』もそうだった。また、北川景子と永山瑛太によるちょっと変わったラブコメ『リコカツ』(TBSテレビ系)、石原さとみと綾野剛が共演したファンタジー系ラブコメ『恋はDeepに』(日本テレビ系)、鈴木亮平と吉岡里帆による正統派ラブコメ『レンアイ漫画家』(フジテレビ系)も同様だ。ただ、そうした盛り上がりは、今期に関しては、世帯視聴率に結びついたとは言えなかった。
また、作品の詳細な考察をするツイートも定着している。謎解きもので犯人当てや黒幕当てが盛り上がるというパターンもあるが、今期の場合は、先述の『大豆田とわ子と3人の元夫』や、松坂桃李主演の社会風刺コメディ『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK)などについて、ドラマをより深く味わうための考察や解釈を披露するツイートが目立った。なかには鋭い分析もあり、そうしたツイートが拡散されることによって、ドラマの評価に一定の影響力を及ぼすようになっている面もあるだろう。
いずれにしてもSNSは、いわば拡大版のお茶の間として、いまや「ドラマを見る」という体験をシェアするための欠かせない場になっていると言える。
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