ヘッジファンド運用者に拓かれた「第3の道」

就職より有利で独立より安全な運用環境の提供

ヘッジファンドにとって2020年は過去10年で最良の年だった。優秀なトレーダーには採用を活発化させている大手の運用会社に職を得る好機となっているほか、ヘッジファンドへの投資意欲が高まっているのを機に、自分でファンドを始めるという選択肢もある。

ショーンフェルド・ストラテジック・アドバイザーズが提供するのは、魅力のある第3の道だ。マクロファンドを開始するに当たって、生じた利益の大きな割合を運用者に渡すとしている。

この取り組みが功を奏し、ベテラン運用者のコリン・ランカスター、ミテシュ・パリク両氏はショーンフェルドに移る。2人は大手企業による庇護(ひご)と安定した資金基盤と共に、自由に運用できる環境を得る。

両氏のほかにも数十人のトレーダーらが、独立するよりも大手傘下での安全を選んでいる。資産と有能な人材がますます少数の企業に集中するというヘッジファンド業界のトレンドを助長するもので、料金交渉で顧客の力が弱まることになる。

ランカスター、パリク両氏はつい先月まで、自分たちの投資会社であるマタドール・インベストメント・マネジメントの拡大に動いており、新ファンド向けに数億ドル投資する約束も顧客から取り付けていた。

しかし最終的に80億ドル(約8800億円)ものレバレッジ資本が利用できるショーンフェルドの提案は、断るにはあまりにも魅力的だったと、事情に詳しい関係者が非公開情報だとして匿名を条件に述べた。

「ショーンフェルドの提案がリスクをより効果的に管理できる強固で拡張性の高いプラットフォームを提供するものだったことに加え、人材に長期投資を行うという同社の文化が業界内の他社と一線を画していたため、特に魅力的だった」とランカスター氏は文書で説明した。提供された資本などについてはコメントを控えた。

原題:Schonfeld’s New Duo Joins Hedge Fund Talent War With Payout Bid(抜粋)

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著者:Nishant Kumar

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