「小林礼奈と中本」の騒動、本人や店じゃない元凶 小さな出来事を大きな騒動に仕立てる構図
では、なぜここまでの騒動になってしまったのでしょうか。
まず問題視したいのは、今回のような批判の声を集めそうな出来事を繰り返しニュースとして報じるネットメディアの多さ。たとえ小さな出来事でも、批判の声を集めそうなニュースはPVが伸びやすいことから記事化し、悪者を叩く勧善懲悪ドラマのようなエンターテインメントにさせて、騒動の着火点となっているのです。
実際これまでも、小林さんをいわゆる“炎上タレント”としてマークし、ブログを何度もニュースとして報じていたネットメディアは少なくありません。小林さんに何らかの問題があって炎上しても仕方のないものならまだしも、今回のような小さな出来事を「これは盛り上がってPVが上がるかもしれない」と記事化する姿勢こそが元凶なのです。
当事者に浴びせられる曲解とぬれぎぬ
もちろん、そんな悪意を引き出すような記事に乗って利害関係のない人を叩く人々も問題視されるべきでしょう。「会ったことすらない人を自分の価値観で裁き、悪のレッテルを貼る」「正義感をふりかざすように暴言を吐き、謝罪に追い込まれる人を見て悦に入る」という人々が騒動を大きくしていることは明らかです。
実際、蒙古タンメン中本はホームページに、「『中本はこんな対応をするのか?』『親子で食べている途中なのに出ていけと言うのか?』『スタッフはお客様を睨みつけるのか?』『小さい子は連れて来てはいけないのか?』などの誤解や辛辣なお言葉を頂いております。当初はお客様同士の件もあるので、こちらとしてはコメントを控えてましたが、その中でも『食べているお客を何だと思っているのか?社長!そんな店なんですか?中本は許せない!』というお叱りの言葉を頂いた」とつづっていました。まさに曲解とぬれぎぬ以外の何物でもありません。
また、小林さんも10日のブログに、「今回(蒙古タンメン中本の)HPを見て、驚いた事があります 私達がまるで店員さんから暴言を吐かれたかの様な捉え方をしてわざわざお店にクレームを入れている方がいる事に驚きました」「私の方のSNS等にも『マスクをしていて食べ終えているのに喋っていたんだろ、どうせ。』等のご指摘を頂きます」とコメントしていました。
小林さんや蒙古タンメン中本に直接、暴言を浴びせ、ネットニュースのコメント欄やSNSに誹謗中傷を書き込む。あるいは当事者がコメントを発表するたびに、「これは正しい」「それはけしからん」と裁判官のように善悪の判断をしていく。日常の小さな出来事や、ふとした感情をつづったブログは、このようなネガティブな声を集めながら雪だるま式に大きな騒動になっていきます。しかし、残念ながらその雪だるまの中身は空洞で、気づきや教訓を得られることはありません。
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