「小林礼奈と中本」の騒動、本人や店じゃない元凶 小さな出来事を大きな騒動に仕立てる構図

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蒙古タンメン中本は激辛ラーメンが得意な人気店、カップ麺(右)でも知られる(写真:蒙古タンメン中本公式ホームページ、東洋経済オンライン編集部撮影)

9日、蒙古タンメン中本は公式ホームページに「YAHOOニュース等で騒がれているブログの件での、お詫びと状況説明」と題してコメントを発表(現在は削除)。防犯・防災の目的で設置している店内カメラの映像を確認したうえで、「18時47分~ ご着席(親子2組の4人で来店)」「19時20分~ お子様2名様がエプロンを外される」「19時22分~ 大人のお連れ様がエプロンを外し、マスクを着用」「19時27分~ スタッフがお声がけ致しました」などと時系列で詳細を説明しました。

また、「子ども2人はソファで遊んでいたこと」「丼に箸やレンゲがまとめられていたこと」「柱があって見えにくかったこと」などをつづったあと、「飲食店で召し上がっている途中のお客様に『お席の方よろしいですか?』という言葉は本来あり得ません。勘違いをしてお声がけしてしまったことに関しては大変申し訳ございませんでした」と謝罪しました。

こちらのコメントもネットメディアが記事化したことで多くの人々の目にふれ、再び風向きが一変。今度は店を擁護し、小林さんを責める声が多数派になりました。

さらに、蒙古タンメン中本のコメントを受けた小林さんは10日、ブログを更新し、改めて謝罪しつつ、YouTubeで当日の経緯を口頭釈明。「お店は私たちと待っていたお客さんがトラブっていたのを知らなかったんだな」「私たちに心ない言葉を浴びせたのは、お店や店員さんでは決してなく、お客さんです」などと語り、最後に「お互いに勘違いしちゃったんだな」「凄くおいしいのでみなさん食べに行ってください」と締めくくりました。

よくある話にすぎない

ここまでの流れを見て、何か気づかなかったでしょうか。

小林さんも店も、多少気づかいが足りないところがあったのは間違いなく、また、待っていた客も、もう少し穏やかな対応をしたほうがよかったでしょう。

しかし、いずれにしても過失というほどひどいものではなく、よくある話にすぎません。三者ともに悪意はなく、それぞれ「もう少し急いで食べればよかった」「もう少しお客さんの気持ちを考えて声をかければよかった」「もう少し優しい気持ちで待てばよかった」というだけの話でした。むしろ、「これくらいのことを受け入れ合わなければ、どれだけ生きづらい社会になってしまうか」と感じるレベルの出来事であり、騒動になってしまったことが社会の歪みを象徴しているようにも見えます。

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