iOS 15から搭載される「iPhoneの5つの大進化」 Androidユーザーと動画を見ながらビデオ通話

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進化したFaceTimeに搭載される、コンテンツを同時に楽しむ事ができるSharePlay(写真:アップル基調講演ビデオより)

ときどき電車の中で2人が1つのスマホを見ながら、左右のイヤホンを分け合って映像を楽しんでいる風景を見かけることがある。これがFaceTimeを通じて、離れた場所でも楽しめるようになる、というイメージだ。

FaceTimeでビデオ通話をしながら、音楽やビデオをお互いの端末で再生し、タイミングを同期する仕組みだ。そのため、SharePlayに参加するユーザーは音楽サービスや映像サービスのサブスクリプションをお互いに持っていて再生できる環境を用意する必要がある。

Apple MusicやApple TV+以外にも、APIでさまざまなコンテンツサービスに対応するため、サブスクサービスのマーケティングにも活用できそうだ。

日本では対応しない数々の機能も

そのほかにも、アップルはiOS 15にさまざまな新機能を用意している。すべての機能リストは、アップルのサイトから確認できる。

日本でも注目度が高かったのは、Walletアプリの刷新だ。家、ホテル、オフィス、クルマのキーとして利用する機能が追加される。またクルマのキーはこれまでのNFCに加え、UWB(超広帯域)通信を用いて、iPhone本体をタッチせずに利用可能になる見込みだ。

また大学のキャンパスにおける学生証の取り込みはすでに実現してきたが、加えて運転免許証を取り込み、NFCを使ったタッチによって空港のセキュリティーを通過できる利便性を提供する。すでに航空券はWalletアプリへの取り込みを実現しているため、飛行機に乗る際に、iPhoneもしくはApple Watchだけで、煩わしい搭乗手続きを済ませることができるようになる。

ただし免許証の取り込みはアメリカの限られた州からスタートし、利用できる場所もアメリカの空港のセキュリティー(TSA)に限られる。日本での導入については、明らかになっていない。

また地図の3Dデータの追加と、ナビゲーションへの活用についても、アメリカなどの主要都市からのスタートとなり、日本で利用可能になる都市は現段階ではない。このあたりも、対応が待たれる。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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