女優・いとうまい子が「研究者」の道に進んだ理由 40代で早大入学彼女が見つけた学びなおしの道

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不思議ですよね。大学に入る前は、まさか自分が老化学の研究をしながらロボット開発をするなんて、夢にも思っていませんでしたから。

でもそれが、「恩返し」の夢へと近づく道だったんです。手を差し伸べてくださる方が示す方向へ素直に進んできたからこそ、今の私があるんだと思います。

学び直しは「軽やかな一歩」から

日本人には学び直しをする人が少ないと聞きますが、その理由の1つは、学生時代の学びがつらかったからだと思うんです。勉強は「やらなければいけないこと」だと思っていた人も多いのでは?

自主性がない学びって、楽しくないですもんね。学びたいな、と思っても、「またあの日々がやってくるのか……」と考えて、つい二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。

でも、自分のやりたいことを学び始めると、想像とはまったく違う世界が広がっています。もし少しでも学び直しに興味があるのなら、ぜひやってみることをおすすめします。

「大切なのは軽やかな一歩。嫌だったら軽やかに後退すればいい」と話す(写真:Womantype編集部)

学ぶ内容は、自分の好きなことならなんだっていいんです。必ずしも学校に通う必要もないし、働きながらやれることからやってみるといいと思います。

「学び直しは大きな目標がある人だけができること」ではないのです。

もしやってみて合わないようであれば、やめたって大丈夫。私も大学に入る前はそう思っていました。大切なのは「軽やかな一歩」。嫌だったら「軽やかに後退」すればいいんです。学びは義務でも何でもありませんから。

そして、何かを学んでみたいけど、学びたい「何か」が見つからないという人におすすめしたいのは、信頼できる人の提案をまずは素直に受け入れてみること。それをきっかけに思ってもみなかったトビラが開くこともあるし、想像もしなかったような人たちとつながることもある。皆さんの予想を超える未来が待っているかもしれません。

20代、30代、40代、50代と、私の人生の満足度は上がり続けています。「人生こんなに楽しくなるんだ!」っていうくらい、今は毎日が充実しているんですよ。

皆さんも、好きなことをやりましょう。もう、「こうしなければいけない」という暗黙の了解に縛られなくていい時代がやってきたのではないでしょうか?

自分らしく生きられるように、自分が心から楽しめることを見つけていってほしいなと心から思います。

(取材・文/一本麻衣 撮影/小野田尚武)

<プロフィール>
いとうまい子さん/1964年、愛知県出身。1982年、『第1回ミスマガジン』でグランプリを獲得し、翌年アイドルデビュー。その後多くのドラマ・映画に出演。2010年に早稲田大学のeスクールに入学して以降、2014年に早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程、2016年に博士課程へと進学。現在は早稲田大学大学院博士課程で、東京大学と共同で老化学の研究に取り組んでいる。2019年、AIベンチャーであるエクサウィザーズのフェローに就任した。

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『Woman type』編集部

「Woman type」は、キャリアデザインセンターが運営する情報サイト。「キャリア」と「食」をテーマに、働く女性の“これから”をもっと楽しくするための毎日のちょっとしたチャレンジをプロデュースしている。

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