ペルー大統領選急進左派候補がフジモリ氏に勝利 急落した債券や通貨は逆に買い戻され高くなる
ペルー大統領選の急進左派候補ペドロ・カスティジョ氏は8日夜、自身の率いる政党の代表者らの報告によれば、既に公式な集計が得られていると発言し、6日に行われた決選投票に自分が勝利したことを示唆した。
急落していた債券価格は反発、通貨も上昇
カスティジョ氏は自身の陣営本部の外に集まった支持者らに対し、「挑発に乗らない」よう呼び掛けるとともに、経済界が同氏の率いる政党への支持を表明していると指摘した。
この日のペルー金融市場では、債券相場が前日の大幅安から急反発したほか、通貨ソルも上昇。株式相場が強含む場面もあった。カスティジョ氏が投資家の不安払拭(ふっしょく)を図ったことが影響した。
カスティジョ氏は7日遅くの声明で、自身が当選した場合、中央銀行の独立性を維持するほか、経済界リーダーらとの対話を継続すると表明。国有化や預金没収、物価・為替の規制、輸入の制限は行わないとし、医療や教育への社会的支出を増やす必要があるとの考えをあらためて示した。
これを受け、8日の取引ではドル建てペルー国債の価格は大幅に上昇。10年ぶり大幅下落を前日記録したソルも上げた。カスティジョ氏の優勢が伝えられた7日の取引では、急進左派政権誕生への警戒感からペルー資産は急落していた。