米国が「コロナ耐性ランキング」で日本逆転の真因 米の有事対応「ワープスピード」と何が違うのか

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“I hope everyone remembers when they’re getting the COVID-19 (often referred to as the China Virus) Vaccine, that if I wasn’t President, you wouldn’t be getting that beautiful “shot” for 5 years, at best, and probably wouldn’t be getting it at all. I hope everyone remembers!”

皆に覚えておいてほしいのだ。Covid-19(またの名をチャイナ・ウイルス)のワクチンを受けるとき、私が大統領でなければその「ビューティフル・ショット」(訳注:このショットは「注射」とゴルフの「ショット」をかけている)は、5年は遅れたか、まったくできなかったであろうことを。頼む、忘れないでくれ!

OWSが成功を収めてくれたお陰で、日本にも輸入ワクチンが大量に回ってきた。日本政府は、すでに3億回以上の供給を受ける契約を締結済みだ。6月1日時点で、接種数は医療従事者が779万人、高齢者が620万人、合わせて1399万人と総人口の1割を超えている

「打ち手が足りない」「予約が取れない」などと騒いでいるけれども、ワクチンが確保できない国から見れば贅沢な悩みであろう。日本という国はつくづく動き出すまでに時間がかかるのだが、動き始めるとそれから先は意外と早いのだ。

ところで筆者がOWSの仕組みに感心していたところ、会社の同僚からこんな声をかけられた。「この手のプロジェクト・マネジメントは、日本の自動車会社のお家芸なんだけどなあ。研究開発、設計、製造、販売、管理などを一貫させて、工期を短縮するのはごく普通にやっていること。民間企業でできることが、なぜお役所じゃ無理なんだろう?」

いや、おっしゃる通り。別に日本政府の弁護をする義理はないのだが、命が懸かった問題になると誰もが腰が引けるし、医療という高度に専門的な分野であるし、そしてやっぱり組織の縦割りの問題がある。

特にわが国の厚生行政が、まことにまだるっこしいものであることは、この1年でよ~くわかった。このところ官邸はブチ切れ気味で、地方自治体との折衝は総務省にやらせ、大規模接種は防衛省に発注し、ワクチン確保の交渉は外務省にやらせている。

どうやら菅義偉総理の頭のなかには、「ワクチン→五輪→総選挙!」というシンプルなシナリオが描かれているようだ。「一点突破、全面展開」というやつで、今のような四面楚歌状態では、それくらい単純な作戦のほうがよさそうだ。

その成否はさておいて、筆者としてはこれから先のワクチン接種が「ワープ」は無理としても、せめて「音速」ぐらいで進むことを祈るばかりである(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページさて競馬。G1も終盤戦、「あの女王」が安田記念に登場!
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