しかしやはり、入らないものはどうしようもない。なんとかこの極小の鏡裏のスペースに入るものだけで、少なくとも「ガッサガサじゃないお肌」でいることはできないものだろうか?
気を取り直して懸命に調べる。すると広い世の中にはいろいろな人がいるもので、すでにそのようなことに挑戦している方々は探せばちゃんと見つかるのである。
「天然の美容グッズ」手作りしてみた
私が頼りにしたのは、玄米菜食で知られるマクロビオティック健康法の本であった。身近な食べものを使って体のさまざまな不調を治す驚きの知恵があれこれ書いてあり、面白いのと案外実用的なので、困ったときはちょいちょい世話になっていたのだ。確か「美容」についても書いてあったような……と思い出してページをめくってみたら……
ありました!
「食べものを利用して、防腐剤も環境ホルモンの心配もない、天然の美容グッズを手作りしてみては?」
あら素晴らしい! 紹介されていたのは、手作りの化粧水と美容オイル。化粧水は日本酒に青梅を漬け込みグリセリンを混ぜて完成。美容オイルはごま油にレモン汁と生姜汁を混ぜるそうだ。なるほど。そんな方法があるんだね。
しかしどうも、ナマモノを使うと日持ちがするのかどうか、あとオイルはべたついたりテカったりしないのかなど細かい不安もあり、自分なりにアレンジしてみることにした。
化粧水は、日本酒に柚子の種を漬け込んで作ることに。これは以前一度作ったことがあり、柚子の種からトロトロ成分が出てしっとりした液体ができた。あれならグリセリンなど混ぜなくともそのまま使えそうだ。
そしてオイルは、会社員時代に行ったスリランカ旅行で体験したアーユルヴェーダ(インド・スリランカの伝統療法)で知った、「ごま油のマッサージ」というものを取り入れることにした。
毎朝、ごま油で全身をマッサージした後にシャワーで油を流すというもので、体の毒を排出する効果があるとのこと。これならレモン汁など搾らずともごま油をそのまま使えるし、洗い流すのでベタつき問題も心配ない。
ということで、我が大量の高級基礎化粧品シリーズは、時代をピャーッと何百年、何千年も遡り、この「日本酒、柚子の種、ごま油」ですべてを済ませることになったのである。
で、どうなったか。
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