「高級化粧品一式」と決別した私の肌が若返った訳 近所で入手できる「ごま油」1本で全身が潤う

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結論から言おう。これはもう、驚くほど「何の変化もなかった」のである。あれから5年以上経つが、肌が乾くこともないし、シワが登場することもまったくない。

いや……ひとこと言ってもいいでしょうか。

あの高級基礎化粧品シリーズは、いったい何だったんだー!!

……いや、ここは一旦冷静になろう。だってどう考えても、あのデパートの1階を埋め尽くすキラキラした化粧品売り場が、まったく意味のないものを売っているなどということがあるはずないではないか。いや、あってほしくもない。そこには必ずや、ちゃんとした意味があるはずだ。

で、考えるに、きっと以下のようなことなのではないでしょうか。

化粧品というものは、そもそも「塗る」ところから出発する。ファンデーションとか口紅とかね。で、塗ったものはちゃんと取らなくちゃいけない。そうじゃないとお肌を傷めちゃいますからね。なのでクレンジング剤を使ってシッカリ取る。

そうすると、確かに余分なものは取れるが、勢い余って潤いも取れてしまう。というわけで、その潤いを補給するために乳液やらクリームやらさまざまな製品を塗らねばお肌がどんどん乾いていってしまう。

つまりは、塗る→取る→取りすぎる→塗る→取る→……というメビウスの輪のような永遠の循環が生まれる。その循環を華麗に司るのが、あのキラキラした化粧品売り場の重要なお役目なのでありましょう。

月に何万円もの化粧品代が一気に700円以下に

で、私はといえば、その循環をひょいと外れてしまったのだ。そもそも化粧をしなくなったので、塗らなければ取る必要もない。水で顔を洗ってハイ終わり。となれば、取りすぎることもないので塗る必要もない。

このように、そもそも何もしなければ、お肌はちゃんと乾かないようにできているということを、私は人生で初めて知ったのであった。

というわけで、今や化粧水もやめてしまった。我が化粧品はごま油のみ。近所のスーパーで買ってくる1本700円ちょっとの太白ごま油。これを一旦100度まで熱して冷ましたものを、毎朝大さじ1杯くらい使って全身をマッサージして濡れタオルでぬぐう(シャワーがないもんでね)。以上である。

ごま油1本で1カ月は余裕でもつ。つまりは月に何万円も使っていた化粧品代は一気に700円以下となった。

ちなみに私が参考にしたアーユルヴェーダの本によれば、このマッサージをするとそれだけ「若返る」そうであります。つまりは1年やれば1年若返り、10年やれば10年若返る。ってことは私、50歳でこれを始めたから今の肌年齢は45歳らしい。

シワができなくて当然なのでありました♡

稲垣 えみ子 フリーランサー

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いながき えみこ / Emiko Inagaki

1965年生まれ。一橋大を卒業後、朝日新聞社に入社し、大阪社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員をつとめる。東日本大震災を機に始めた超節電生活などを綴ったアフロヘアーの写真入りコラムが注目を集め、「報道ステーション」「情熱大陸」などのテレビ番組に出演するが、2016年に50歳で退社。以後は築50年のワンルームマンションで、夫なし・冷蔵庫なし・定職なしの「楽しく閉じていく人生」を追求中。著書に『魂の退社』『人生はどこでもドア』(以上、東洋経済新報社)「もうレシピ本はいらない」(マガジンハウス)など。

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