米大統領がコロナ起源解明を情報機関に指示 米国の検証結果次第では米中関係が過去最悪に

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ワシントンを拠点とする政策研究グループ、ジャーマン・マーシャル基金でアジアプログラム担当ディレクターを務めるボニー・グレーザー氏は、「コロナ起源の問題は共産党の正当性と深く結び付いているため、中国が透明性を高めるとは思えず、これについては徹底抗戦してくるだろう」と指摘する。

検証結果次第で米中関係は過去最悪になる可能性も

「とはいえ、中国が豪州にしているような経済的抑圧を米国に講じる公算は小さい。ハイテクへの一段の制限措置など米国からの報復を恐れていることが一因だ」とした上で、「中国は米中関係が危険な水準へと悪化するスパイラルも懸念している」と話す。

リスクコンサルティング会社のベリスク・メープルクロフトのアナリスト、ヒューゴ・ブレナン氏は、バイデン大統領による情報機関への今回の指示でコロナ起源を巡る議論が少なくとも数カ月は続くことになったとし、米国の検証が最終的に中国当局者を批判することになった場合、米中関係が一段と悪化する恐れがあると分析する。

「米情報当局が『武漢研究所からの流出』説がパンデミックの原因として最も有力と結論付ければ、米中関係はこれまで見られなかった水準に落ち込むだろう」とブレナン氏は指摘。「中国政府が意図的に流出を隠そうとしたとのコンセンサスに至れば特にそうなる」と述べた。

原題:Lab Leak Theory’s Revival Risks Upending Any U.S.-China Detente(抜粋)

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著者:Bloomberg News

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