米大統領がコロナ起源解明を情報機関に指示 米国の検証結果次第では米中関係が過去最悪に

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米中両国がトランプ前政権の終盤に深まった対立を打開したいとの兆しを見せる中、今回の検証は微妙なタイミングで行われる。バイデン大統領は前政権時代の対中追加関税や制裁を維持する一方で、タイ通商代表部(USTR)代表に続いてイエレン財務長官も米東部時間1日夜に中国の劉鶴副首相と初めて電話協議するなど対話も始めている。

中国起源説には徹底抗戦しか道がない

いずれにせよ、米国による検証結果は習近平国家主席の手を縛りかねない。今年10月の20カ国・地域(G20)首脳会議でバイデン大統領と会談する機会が訪れる直前に結果が公表されればなおさらだ。

習主席は中国の攻撃的な対応が国外での自国の立場を損ねたと認識しており、「信頼され、愛され、尊敬される」中国のイメージづくりを当局者に今週指示したが、共産党には世界経済を実質的に止めた新型コロナウイルスの扱いを誤った、あるいは隠蔽(いんぺい)したなどと主張するいかなる見方にも徹底して抵抗する以外に選択肢はない。

WHO専門家の武漢訪問中に武漢ウイルス研究所の外で警備に当たる担当者(2月3日)
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