コロナ優等生の台湾でなぜ感染が広がったのか

防疫網に穴、これまでの政策が役立たない?

台湾政府は、3000万回分のワクチン確保を計画している。内訳はアストラゼネカ製が1000万回分、モデルナ製が505万回分、ワクチンの公平な分配を目指す国際的枠組「COVAX(コバックス)」からの購入分が476万回分、そしてその残りの1000万回分を台湾のワクチンメーカー「メディジェン・ワクチン・ バイオロジクス(高端疫苗生物製剤)」と「ユナイテッド・バイオメディカル(聯亞生技)」がそれぞれ500万回分ずつ供給する予定だ。

通常、ワクチンは市販化の前に3つの段階の臨床試験を行うが、メディジェンでは4月中に第2相臨床試験を終了し、現在は安全性試験の結果を待っているところだという。メディジェン製のワクチンの副作用が許容範囲であることが確認されれば、6月中に緊急承認を申請し、7月末までに接種が始まる見通しだ。順調にいけば、メディジェンは4〜5カ月以内に台湾政府が求める500万回分のワクチンを供給することができるとみられている。

国産ワクチンを7月に投入へ

ユナイテッド・バイオメディカルも、6月中にワクチンの緊急承認申請を行う予定だ。メディジェンに後れをとったが、ユナイテッド・バイオメディカルも極力7月中の供給を目指す。

かつては、外国からの渡航者に対する徹底した14日間の隔離措置と追跡調査のおかげで、台湾は大規模なPCR検査を実施しなくても、世界中で新型コロナウイルスが蔓延するなか「例外」的な天国であることができた。しかし、今回は航空会社のパイロットに入境後の隔離期間を3日間に短縮する 「例外措置」をとったことが、ほころびとなり、ウイルスを台湾に入れてしまうことになった。

突然の流行で市民がパニックになっているなか、政府や業界は対策を急いでいる。もはや「例外」はない。誰もが高いレベルの感染防止対策を理解・実施し、未来に来るかもしれない「不測の事態」を防がなければならない。
(台湾『今周刊』2021年5月19日)
 

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