就活生の成功体験から学ぶ「Web面接・選考」突破術 リアル同等の準備で6月の「本命面接」に備える

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今回の調査では報告がないが、通信環境やPCの設定以外のトラブルもある。ある採用コンサルタントの話によれば、「1日のうちに何社も面接の予定を入れているケースがあり、Web面接に遅刻するケースがある。スケジューリングのミスによる遅刻は致命的で、リカバリーできない可能性が大きい」と話す。Web面接が主流になっている現在、面接の予定を無駄なく組めるのは就活生にとっては大きなメリットではあるものの、時間的な余裕をもって予定を立ててほしい。

カンペや服装にも配慮が必要

山場を迎える面接で注意すべきことは他にもある。

まずはカンペについて。Web面接では、カメラに映らない場所に想定される質問への回答や自己PRのポイントを整理し、いわゆるカンニングペーパーを作成して準備する就活生が少なくない。しかし、面接官は学生の視線の動きで、カンペの存在に気づくことが多い。

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ある人材系企業の採用担当者は、「面接官と視線を合わせず、他のところを見ているように感じることがある。そういう場合は、事前準備が難しいような質問をスピーディに投げかけて、なるべくご本人の素の部分が理解できるように努めている」と語る。

用意周到に準備をするのはいいが、想定外の質問を受けて慌ててしまうこともある。カンペはあくまでも“安心材料”程度と考えて、面接官との対話に集中するようにしてほしい。

また、服装にも注意が必要だ。ある就活生は、「画面に映るのは上半身だけなので、上はネクタイとジャケットを着用して、下は部屋着のままで面接を受けた」と話してくれたが、面接官から「立ってみてください」と指示されるケースもあると聞く。都市伝説のようにも思えるが、そんなことになって慌てることがないように、Web面接といえども対面型の面接と同じ気持ちで準備をしたほうがよさそうだ。

以上、就活生の声をもとに面接に関する注意点を紹介してきた。コロナ禍でなかなか満足な学生生活が送れず、自分にはアピールすべき体験がないと、不安に感じることは多いかも知れない。しかし、それはどの就活生も同じだ。大切なのは、コロナ禍という逆境に負けず、どれだけ前向きに、そして主体的にがんばることができたか。面接では、未来に向けた自分なりの展望を語ってほしい。

吉本 隆男 キャリアライター&就活アドバイザー

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よしもと たかお / Takao Yoshimoto

元マイナビ編集長。1960年大阪生まれ。1990年毎日コミュニケーションズ(現:マイナビ)入社。各種採用広報ツールの制作を幅広く手がけ、その後、パソコン雑誌、転職情報誌の編集長を務める。2003年より就職情報サイト「マイナビ」の各種コンテンツ制作、プロモーション施策の立案・実施を担当。2015~2018年までマイナビ編集長を務める。2019年からは地域創生をテーマとした高校生向けキャリア教育プログラム&教材の開発に従事。2020年定年退職を機にキャリアライター&就活アドバイザーとして独立。日本キャリア開発協会会員(CDA)、国家資格キャリアコンサルタント。著書に『保護者に求められる就活支援』(2019年/マイナビ出版)

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