グループディスカッションに関する経験談も紹介しておこう。最終面接に近い6月以降の選考では、グループディスカッションの機会は減るかも知れないが、ツールの活用法やオンライン上でのコミュニケーションのポイントは、1対1の面接においても参考になることがある。
まずは、ツールを有効活用することで、功を奏したケース。
「書記がパワーポイントやワードなどにまとめて画面共有しておくと、全員が共通の認識を持ちやすかった」(文系女子)とか、「タイムキーパーとして、チャットを活用して残り時間をメンバーに知らせたことが評価された」(文系女子)、「画面共有機能を利用しながら発言者の発言内容をまとめ、可視化していったことが議論のスムーズな進行に役立った」(理系男子)など、Web会議ツールの機能を使いこなすことができれば、スムーズに進行でき、高評価につなげている。
オンライン上でのコミュニケーションについてもさまざまな工夫がされている。
「無言のうなずきが評価された。人が話しているところに相づちの声が入ると良くないと思ったので、しっかりと聞いていることが伝わるように、少し大きめに首を動かした」(文系男子)とか、「全員の顔が見えるため、発言に対する反応や発言していない人を把握しやすいというメリットがあった。そのため、頷くなどリアクションを大きくしていると人事から高評価だったと思う」(文系女子)といった声が聞かれた。
オンラインでは、他の人の表情を見やすいというメリットもあれば、発言がかぶりやすいというデメリットもある。こうしたWebコミュニケーションならではの特徴を踏まえて対応できるかどうか、それが成功の秘訣と言えそうだ。
準備不足と初歩的ミスに要注意
コロナ下での就活は、ツールの使いこなしやWebコミュニケーションの慣れが不可欠とはいっても、初歩的なミスやトラブルもまだまだ少なくない。
よくあるのが“本番に限って”問題が発生するケース。就活生のコメントにも、「いつも使っているパソコンなのに音声がでなかった。またイヤホンのマイクが接続できなかった」(文系女子)、「パソコンをひらいたらアップデートが自動で始まってしまい、入室に遅れそうになってしまった」(文系女子)というような事例が報告されている。
さらに、「ノートパソコンを電源に繋ぎ忘れて、討論中に電池切れになりかけた」(理系女子)、「イヤホンなしで参加したら、自分のマイクをオンにするたびにハウリングが起きてしまった」(理系男子)、「カメラで映る範囲が分からなくて、部屋全体が映ってしまった」(理系女子)など、準備不足や不慣れが原因でさまざまなトラブルに遭遇している。
もし最終面接でそんな事態になったら、それまでの苦労が水の泡になりかねない。念には念を入れて、細心の注意を払って準備をしておきたい。
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