中国の金融システムが抱える「最大級の不安」 建党100年控え「モグラたたき」方式でバブル退治

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中国金融市場の秩序を保つ闘いが一段と厳しくなりつつある。商品から住宅、株式に至るあらゆる市場に資金が流れ込んでいるためだ。

5月だけでも、政府は金属絡みの投機に対応すると表明し、不動産税構想を復活させた。一部の都市では住宅ローン金利が引き上げられ、仮想通貨のマイニング(採掘)は禁止となっている。

的を絞った介入が国内金融市場の重し

当局は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の景気回復を支える緩めの金融政策を維持。そのため、資産価格の過熱リスク警戒を重視している。中国共産党は7月1日に建党100年の記念日を迎えることから、ボラティリティーを回避したいと考えており、的を絞った介入が国内金融市場の重しとなる可能性が高い。

JPモルガン・プライベート・バンクのアジア投資戦略責任者アレックス・ウルフ氏は「今の政策トレンドは金融の安定確保が焦点だ」と述べ、「中国政府は強力なレトリックと小幅な政策調整を通じて、ターゲットを絞ったやり方でまずはバブルのリスクを解消したいと思うだろう。今のところ、それで十分のようだ」と指摘した。

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