家庭内では別人「モラハラ夫」たちの耳を疑う実態 妻には2000円ランチ、自分には数万円の旅行…

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離婚問題を多く手がける弁護士によると、

「親に甘やかされて育ってきたことの多いモラハラ夫は、他人の痛みがわからなかったり、なんでも人のせいにしがち。いわゆるマザコン、という例も多いようです」

聞けば聞くほど関わりたくないモラハラ夫。結婚前にその性格を知っていればどうにか回避できる術もありそうだが──。

「正直わからないですよ。計算高くて外づらはいいから。結婚前は逆によく見えたりするからやっかいですよね」とルカさんは漏らす。

自己愛性パーソナリティ障害

家庭を持ってから徐々に本性を現すのは、モラハラ夫の常套のパターン。精神科の医師たちが指摘するモラハラ系に当てはまる性格の1つに、自尊心が高いくせに、自分で自己肯定感を上げる努力をしないというものもある。手っ取り早く自分の立場を上げるため、身近にいる人をおとしめて自己愛に浸ろうとするのだという。

こうしたモラハラ人間の、人を操る心理テクニックに引っかかる例は多い。自分にとって都合のいいことだけを繰り返して相手をマインドコントロールするのはモラハラ夫にとってのお決まりなのだ。

他者からの評価には敏感で、己の成功や権力だけを求める……という特徴的な性格のモラハラ夫たち。なにか精神的な問題でもあるのか。

「自己愛性パーソナリティ障害という精神疾患に当てはまるケースも。本人が自覚しておらず、改善は難しい」というのが専門家の意見だ。

本人たちには少しもモラハラなどという認識はなく、むしろ自分は相手を正しく導いているという、なんとも自己中心的な思い込みがあったり、ささいな間違いやミスをしつこく指摘し、説教したり、責め立てたりするのが日常茶飯事。

愚かで出来の悪い妻を優秀な自分が導いてあげているという感覚なのだろうか。これが「昭和」時代では、亭主関白という名でまかり通っていた部分もあるから、おそろしい。

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