アップル「中国政府への譲歩」示す5つの疑問行動 利用者データを中国政府のサーバーに保管か
2.ユーザーの個人情報を中国政府と共有
アメリカの法律でアップルは、以前から中国当局へのデータ提供を禁じられている。そこでアップルはデータを中国に移転するにあたり、中国政府と協力してアメリカの法律を迂回する法的な枠組みを整えた。
貴州省政府をオーナーとする「貴州クラウド・ビッグ・データ(GCBD)」という会社を用意し、アップルのクラウドサービス「iCloud(アイクラウド)」上に中国人ユーザーが保存しているデータの法的な所有者としたのである。
さらにアップルとGCBDは「お客様が本サービスに保存しているすべてのデータへのアクセス」を両社に与えるとした新たな文言を中国のiCloud利用規約に盛り込み、アップルとGCBDの間でデータを共有できるようにした。中国当局は現在、ユーザーの個人情報をアップルからではなく、GCBDから入手できるようになっている。
このような枠組みが成立するまで、アップルはユーザーのiCloudデータを中国当局に提供した事実はないとしている。その後は9回にわたってiCloudのデータを提供したとアップルは回答しているが、対象となったアカウント数は明らかにしなかった。
中国検閲向けの自社組織を設立
3.中国当局を刺激しそうなアプリを自主的に削除
アップルは、中国の規制に抵触するおそれのあるアプリを検閲・削除するため、社内に自主規制を行う部局を設置している。アプリ審査員の指導に加え、専用のソフトウェアを使って、中国政府からNGとみなされると思われる話題に触れるアプリを検閲しているのだ。具体的には、天安門事件、当局がカルトと位置づける中国の気功集団「法輪功」、ダライ・ラマ、チベットや台湾の独立問題などがそれに当たる。
アップルは、中国の法律を順守するためアプリの削除を行っていると述べた。
4.反体制派のアプリをアップストアから排除