住友VS三井不動産、「借金王」と「業界盟主」の接戦

直近業績は明暗くっきり、行方を占う財務戦略

不動産業の中でも、オフィスビル開発にひときわ傾倒する住友不動産。写真は昨年6月にユニゾHDから取得した東京・八重洲のビル(記者撮影)

大手不動産の明暗が分かれている。住友不動産は5月13日、前2021年3月期決算を発表した。売上高は前期比9.5%減の9174億円だった一方、純利益は前期比0.3%増の1413億円と過去最高益を更新した。

同日発表された三菱地所の2021年3月期決算は、純利益が前期比8.6%減の1356億円。翌日に三井不動産が発表した2021年3月期決算も、純利益は前期比29.6%減の1295億円に落ち込んだ。住友不動産が不動産業界の「双璧」を押しのけ、8年ぶりに純利益ベースでトップに躍り出た。

コロナ影響は「軽微で済んだ」

「おかげさまで10期連続で最終増益、8期連続で過去最高益だ。(コロナ禍の影響は)比較的軽微なダメージで済んだ」。決算発表日に開催された説明会にて、住友不動産の尾䑓賀幸取締役は強調した。

2021年3月期は、ほぼすべての大手不動産がコロナ禍の影響を受けた。商業施設やホテル、不動産仲介店舗の休業のほか、外出自粛によって貸駐車場や貸会議室の利用も目減りした。コロナ影響により、営業利益段階で三井不が840億円、三菱地所が343億円の利益を逸失した。一方、住友不は「150億円程度の減益」(尾䑓取締役)と、2社よりも傷が浅かった。

各社は休業中に発生した商業施設やホテルの固定費などを特別損失として別途計上しており、ここでも三井不が147億円、地所が57億円に対して、住友不はわずか6億円で済んだ。さらに住友不は中国・大連の分譲マンション会社の持分売却に伴う投資有価証券売却益118億円を計上し、これが純利益を押し上げた。

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