堀江貴文「僕が20歳の若者にも教えを請う理由」 つまらないプライドにこだわるというムダ

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プライドとは、本当に厄介なものだ。多くの人はプライドのせいで、全力を出しきることができていないと思う。

例えば、わからないことを人に聞けずに、下手なまま自分を放置してしまう。自己流、独学は大いに結構だが、下手な自分を見過ごすことは、絶対にしてはいけない。僕は運動系のアクティビティでは、素直にトレーナーの言うことを聞いて、わからないことは何でも質問する。少しでも上達したいのだから、当然だ。

教えを乞うのに、地位も年齢も関係ない

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ミュージカルの舞台で初めて稽古に臨んだ頃、僕は、ダンスが嫌になるほど下手くそだった。それで当時、共演者だった20歳そこそこの寺田有希さんに、ダンスを教えて、と頼んだ。寺田さんはそのとき、すごく驚いたという。

「時代の寵児で、超有名な起業家の堀江さんが、10歳以上も年下の私なんかに素直に頭を下げてくる。地位や年齢にこだわらない、本当に真っ直ぐな人なんだって感心した」

数年してから彼女に言われて、そうなんだ、と思った。いまでは女優として、また僕のYouTube公式チャンネル「ホリエモンチャンネル」のMCとしてもおなじみの彼女だが、あの頃はまだ僕のこんな面が、やたらと新鮮に映ったのだろう(寺田さんの「やりきる力」については、拙著でも紹介しているので読んでほしい)。

上手い人に、教えてと頭を下げるのは当たり前じゃないか? しかし多くの大人は、この当たり前が、まずできていないのだ。

たとえ相手が年下だろうと、下手な人が、上手い人に「教えて」と頼むことが、なぜ恥ずかしいのだろう? そんなことで、誰もあなたのことをバカにするはずがない。

つまらない見栄やプライドにこだわって、下手くそのまま成長しないで歳だけ取っていく様のほうがよほどバカにされるだろう。プライドを捨てて、謙虚にやりきる姿勢が、自分を前に押し進めていくのだ。

堀江 貴文 実業家

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ほりえ たかふみ / Takafumi Horie

1972年福岡県八女市生まれ。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『10年後の仕事図鑑』(落合陽一氏との共著、SBクリエイティブ)など。

Twitterアカウント:@takapon_jp
その他詳細はHORIEMON.COM

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