堀江貴文「僕が20歳の若者にも教えを請う理由」 つまらないプライドにこだわるというムダ

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一生懸命な人は、魅力的だ。一生懸命であれば、必ずモテるし、多くの人から支援を得ることもできるのだから。

「死んでもやりきるんだ」という覚悟

僕は一般的に見て、勉強もビジネスも、さらには知名度の面でも、普通の人よりは高い成果を上げた人間だろう。

だが、それは生得の才能ではない。自分の一生懸命さで、どうにかこうにか必死に食らいついてカバーしてきたと思っている。謙遜ではなく、事実だ。

例えば運動系のチャレンジは、だいたい苦手だった。ゴルフを始めたときは、ボールをろくに前へ飛ばせなかった。エクストリームスポーツにも、いくつも挑んでいるが、堀さんは筋がいいですね! と言われた競技は数えるほどしかない。スノーボードを始めたときなど、立つのも難しくて、何度も冷たい雪の上に転んだものだ。

でも、一生懸命、プロのトレーナーの指導のもとで練習して、コツコツ上達した。何でも上達しないことには面白くならないし、新しい気づきを得られないからだ。

できない、不向き、上手くならないと、勝手にリミットを決めて、放り出してはいけない。僕だってアイアンマンレースを走っているときは、水泳、自転車、長距離走と続いて、ぶっ倒れたいほどに苦しい。途中で何十回とリタイアしたい衝動にかられるけれど、決してハートを折ることなく、這いつくばるほどの根性で完走のゴールを切るのだ。

やりきったときに見える極上の景色を、僕は知っている。本当に心が震える素晴らしい景色だから、辛くてもまた、やりきろうと懸命に走り出す。

成果が上がらない、思い通りの現在を生きられていないと嘆く人は、やりきったときの景色を満足に見た経験がないのではないか。

本当に、死んでもやりきるんだという覚悟で、一生懸命になっているのか? たぶん、なっていないから、平気でリタイアできるのだろう。誰だって本当は、時間をかけて一生懸命にやれば完走できるのだ。もしもリタイアしたくなったときには、プライドとか差恥心なんてかなぐり捨てて、がむしゃらにゴールを目指す。そしてぜひ、その向こうに見える景色を味わってみてほしい。

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