「子供は挫折で育つ」とプロ指導者が実感した理由 仁志敏久が明かす「負け戦」が与えてくれるもの
子供たちのなかには初めて海外に出かける子も数多くいました。そのため、その国の文化や習慣がわからなかったり、場をわきまえず盛り上がって大騒ぎになってしまうこともしばしば。そこが日本でないことをわかっているようでわかっていない。なので、単独行動にならないように目配りが欠かせません。
たかだか夜の素振りの帰りでも必ず大人をつけ、部屋に帰ったことを確認する。素振りの場所はホテルの駐車場であってもそれは絶対です。何かあってからでは遅いので、安全確認はぬかりなく行います。
「他国の子との交流」に注意を払う理由
また、大会中は他国の子供たちも同じホテルに宿泊するため、子供同士で挨拶したり、仲良くなったりということもあり、お互いの部屋を行き来するような状況にもなりがちなのでそこも注意します。
何が悪いのかというと、他国の子の部屋へ入って何か物がなくなれば当然疑われます。その可能性は低いと言っても、ゼロではありません。そもそも言葉が通じないわけで、何らかの行き違いが生じる可能性は十分あります。交流はたいへん結構なのですが節度をもって付き合うことも教えます。
逆に、他国の子供を部屋に招き入れることも禁止します。理由は同じですが、どちらかというと他国の子を招き入れるほうが、問題が起こる可能性は高いため、より強く注意をします。
これは私自身の経験によるもので、アマチュア時代に国際試合に数多く参加し、気をつけなければならないことの一つとして先輩などからよく教えられました。
野球道具が欲しい、金品が欲しい。そんな欲求をもつ人間はどこに潜んでいるかわかりません。海外へ行けば盗まれるほうが悪いと考えるしかない場合もあります。私もアマチュア時代の海外遠征で盗難にあった経験があり、私以外の選手やスタッフも同様の被害に遭遇したことが何度かありました。子供同士だからといって安心はできません。
実際に、日本チームではありませんが、他国の子供と仲良くなり、部屋に入れたらほかの子も入ってきて物を盗まれたという事例もあります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら