チャレンジとリピートの数字を一緒にするな

東芝機械の八木正幸取締役に聞く(後編)

 東芝機械の八木正幸取締役は、社内外で人望が厚く、部下を育てるのがうまいと言われている。メンバーが挑戦できる風土の作り方、管理職がやってはいけないこと、若い人への接し方、公平感のある評価の仕方、未来から逆算する発想法など、後編にも経験に基づくヒントが満載されている。

※前編:「目先の利益にとらわれず、原理を追求してきた」こちら

“人”と“酒”、そして“変化”が好き

三宅:八木さんは社内外にそうとう人脈があるようですが、もともと「人」が好きな人だったのですか?

八木:そうですね、酒を飲むのも好きですし(笑)。社内では年に2回、営業、技術、製造、サービスのメンバーを集めて、40~50人で1泊2日の研修会をしています。夜中まで飲んで、次の日にそれぞれが発表するのです。

三宅:かなり意識してやっておられるようですね。

八木:大事なのは仲間意識だと思っています。なるべくわかりやすい言葉を使って、それを説明しますが、今なら「コンパクトなサッカーをやろう」と言いますね。フォワードとディフェンスが連携して、ドリブルする人間もいるけど、パスやカバリングする人も必要です。アイコンタクトして、互いに連動するサッカーをやっていこうと。

三宅:かなりシステム思考的ですね。

八木:課長、部長と、ステップアップしていくと、余計にそうなります。いかに部下を育てるか、いかに組織を作るか、いかにチームを作るかを念頭に置いています。自分たちだけではなく、お客様も、関連メーカーも同じチームに巻き込むのです。

三宅:そういう「みんなで挑戦していこう」という風土作りは、どうすればできるのですか?

八木:まず私自身が挑戦する姿勢を示します。たとえば、7、8年前には、苦しい時期に一度廃止した開発課を復活させました。生産技術課も作りました。また、機械を売ってからがスタートだという考えから、別会社だったサービス部門を自分の組織の中に入れました。さらに、撤退した印刷機の事業も取り込みました。

三宅:印刷機の事業を取り込んだ?

八木:印刷機には、欲しかったいい技術があったからです。今、電子印刷に取り組んでいますけれども、将来的にはチップやディスプレーが印刷で出てくるようになるでしょう。すでに組織を変え、人数も100人から220人ぐらいに増やし、売り上げ規模も倍になりました。

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