※前編:エンタメ界の神様が語る「逆張り成功論」はこちら
3人のキーパーソン
三宅:前回はソニーとソニー・ミュージックが合弁でソニー・コンピュータエンタテインメントという会社を作ったと伺いました。当時、ソニー・コンピュータエンタテインメントにおける、キーパーソンは誰だったのですか。
丸山:久夛良木、丸山に、それからソニーの徳中暉久さん。
三宅:徳中さんはどのような役割を担当されていたのですか。
丸山:彼はソニー・コンピュータエンタテインメントの2代目の社長で、どちらかというと管理畑の人。人柄がすこぶるつきのいい人なのよ。ソニーの中にはまるで敵がいない。ソニーがそういういい人を指名してくれた。
三宅:そうだったのですか。指名してくれたというのは誰が?
丸山:当時のソニーのCFOだった伊庭保さん。その人が秘蔵っ子を出してくれたの。
三宅:よく出してくれましたね。ソニーとしてもゲームに力を入れようとしていたということですよね。
丸山:そこは微妙なんだよね。個人的に伊庭さんと徳中さんは、ゲームビジネスは面白いと思っていた。でもいろんな問題が起こって、なかなかソニーとしての機関決定に持ち込めなかったから。
三宅:どういうポイントが引っかかったんですか。
丸山:俺から言うとちゃんちゃらおかしいんだけど、ソニーはさ、自分たちをエレクトロニクスで世界のトップの会社だと思っていたわけ。
エレクトロニクスの最先端の商品と比べたら、確かにファミコンは大した技術じゃないよね。だけど任天堂はそれを上手に使って、『スーパーマリオブラザーズ』とかいいソフトを作って伸びた会社。でも当時のソニーから見ると「それで?」っていう相手に見えた。
三宅:「花札屋」くらいに思っていた?
丸山:そう。任天堂は花札やトランプからスタートしたから、オモチャ屋だと思っている。それなのに何をどう間違えたか、「世界のソニー」がオモチャ屋と競争することになってしまった。でも一般論からすれば、ユーザーの支持はオモチャ屋のほうにあるわけじゃない。
三宅:はい。私も当時は大学生でスーパーファミコンのヘビーユーザーでした。
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