メキシコ「ワクチン接種」会場の演出が楽しすぎる プロレスラーやオペラ歌手が応援してくれる

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メキシコシティのワクチン接種センターでは、白いシャツを着た女性たちが、車いすでもできるヨガのポーズを人々に指導していた。また、男性は驚くほどたくさんのサッカーボールを使って手品を披露し、プロのオペラ歌手は全員を祝福した。

「メキシコにとって素晴らしい日です」と彼が言うと、大きな拍手が沸き起こった。「私は今週ずっとここにいます」。

ようやく接種ペースが上がってきた

パンデミックは、メキシコにはあまりいい影響を与えていない。メキシコは新型コロナウイルスによる死者数が世界で三番目に多いにもかかわらず、メキシコ政府は経済へのダメージをおそれて厳格なロックダウンを実施することに抵抗を示し、またお金の無駄遣いだとして大規模な検査を行っていない。

サッカーボールを使った手品を披露する男性(写真:The New York Times)

この悪夢から逃れるには、大規模なワクチン接種しかないと多くの人が考えているが、同国のワクチン接種キャンペーンの進み具合は非常に遅かった。しかし、4月中旬には全国的にペースが上がり、当初は混乱も見られたが、首都では効率良くワクチン接種を行うことができるようになっている。

「私たちはすぐに、自分たちが今まで行っていた方法では高齢者に十分なレベルのサービスで対応できないことがわかりました」と、同市のワクチン接種プログラムの調整を担当するエドゥアルド・クラーク氏は語る。

当初、人々は市内の何十もの学校や診療所でワクチン接種を受けていた。しかし、担当する幹部職員がいないため、現場はしばしば混乱。クラーク氏によると、ワクチン接種に来た高齢者たちは、人通りの多い道の脇で、太陽の光にさらされながら5時間もの間自分の順番が来るのを待っていたという。

そのため、政府はすべてのワクチン接種をいくつかの大きな会場に統合した。そしてすぐに、会場の運営者たちは、ワクチン接種に来た人たちに対し、誰が一番思い出深い体験をさせられるかを競うようになった。

クラーク氏は、市がワクチン接種キャンペーンを大々的に広めようとしたわけではないと主張する。「宣伝のためではありません」。

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