日本企業も多い「テキサス州」が狙い目の理由 あのテスラが自動車工場を建てることでも注目

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テスラ以外にも、ヒューレット・パッカードエンタープライズや、オラクルなどのテクノロジー大手も、テキサスを新たな本拠地に選んでいる。マスク氏が同じく率いるスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)でも、「就職希望者は、テキサスに移住せよ」という呼びかけをしており、名だたる企業が次々にテキサス移転する傾向は、これからも続くのではないかと見られている。

大手企業のテキサス移転が止まらない最大の理由は、先述のカールソンさんの言う「税制度」が大きな要因だ。テキサスには州法人税も、個人の所得税もない。連邦法で今後変わる可能性も若干あるが、最低賃金や固定費が太平洋沿岸部の大都市よりも低いことは、企業としては魅力的と言えるだろう。

また、南部ではあるものの、地理的にはアメリカの真ん中に位置するテキサスは、かなり交通の便もよい。ヒューストンやダラス・フォートワース空港などからは、乗り換えなしにアメリカの主要都市にはほとんど行けるので、ビジネスには便利なのだ。

2026年には北部ダラスと南部ヒューストンを結ぶテキサス高速鉄道、通称テキサス新幹線も開通し、商業2大都市の移動が、たった90分に縮小する。貿易に関してもメキシコ湾に面しており、ヒューストン港をはじめ11もの貿易港があることも国際ビジネスでは大きな利点だ。

紀伊國屋書店も大注目

日本企業で言うと、2017年にカリフォルニアからテキサスのプレイの市に移転したトヨタのインパクトは大きかった。それ以降、アメリカ内の多くの日系企業がテキサス州展開を始めたが、そんな中でも大躍進中の注目すべき企業は、紀伊國屋書店だろう。

紀伊國屋書店は、日系書店として全米20店舗を展開しているが、当然日本人が多い都市での出店が目立つ。例えば在留邦人数が最も多いと言われるカリフォルニアでは、10店舗を展開(2018年、在サンフランシスコ日本国総領事館の公表数で同州在留邦人数は13万4778人)。テキサスではカリフォルニアに次ぐ、4店舗を展開している。

特筆すべきは、同社がこれら4店舗を、過去5年で立て続けに出店している点だ。まず2016年に、ダラス近郊のキャトルトンにテキサス第1号店をオープン。その後、半年もしないうちにトヨタのあるプレイノ市に2号店をオープンし、2018年にはオースティン店、2019年にはケイティ店をオープンした。

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