日本企業も多い「テキサス州」が狙い目の理由 あのテスラが自動車工場を建てることでも注目

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「日本人がやはり増えているような土地を選んだのですか?」という質問をテキサス州と、シカゴ店を統括している渡邉成一さんに質問してみたが、「実はダラス、ヒューストンにそれぞれ4000人程度、オースティンに1000人程度と、そもそもテキサスにはまだそれほど日本人はいないんです」という回答だった。

日系書店を日本人が少ない所に出店したことは、かなり驚きだった。しかし、それ以上に驚いたのは、顧客比率が日本人1に対して、現地のアメリカ人が9だという点だ。

「最初は私たちも、トヨタさんがプレイノ市に移動されることにビジネスチャンスを感じ、進出を決めたんです。ところがフタを開けてみると、客層は圧倒的に日本人以外の方が多かった。どの店舗もビジネスはおかげさまでうまくいっています。経営の面でも、テキサスはあらゆるビジネスメリットがありますし、まだまだチャンスがある土地だと思っています」

クールジャパンと言うと、どうしてもニューヨークやカリフォルニアを目指す傾向が強かったが、コロナが収束した後に目指すべきは、ひょっとしたらテキサスかもしれない。紀伊國屋書店で売れているのはアニメ関連商品だったり、マンガだったりするようだが、日本の生んだ文化への関心が高いのはテキサスも同様のようだ。その他、くら寿司が州内で7店舗展開していたり、ラーメンの陣屋が10店舗展開していたりと、日本食チェーン店も元気だ。

文化もビジネスも日本とテキサスは好相性?

もう1つあえて加えると、ダラスには世界最大の日本の甲冑コレクターが創った「Samurai Collection」というものまである。なぜ日本の侍文化を広める機関がテキサスにあるのかと驚いてしまうばかりなのだが、私設美術館としては大成功を収めている。

同美術館とは、以前筆者も仕事をしたことがあるのだが、オーナーは現地の人で、テキサスではむしろ最も成功した商業施設のデベロッパーの1人として有名な人物。その美術館の担当者が、「カウボーイ・スピリットと侍スピリットは相通じる部分があり、文化もビジネスも、テキサスと日本は相性がいい」と話してくれたことを今も時々思い出す。

テキサスは日本の商材や新しいビジネスを持ち込むにあたっては、ビジネス進出のしやすさを含め、これからもっと注目すべき土地だろうと言っていいだろう。

ジュンコ・グッドイヤー Agentic LLC代表、Generativity Lab代表

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Junko Goodyear

アメリカ在住。青山学院大学卒業。日本にて約20年の企業経営のち、現職。日本企業のアメリカ進出、アメリカ企業の日本進出のコンサルテーション&サポートほかを行っている。シアトル近郊最大の子供劇団のひとつ『Kitsap Children’s Musical Theatre』顧問を務めながら、次世代継承と・社会還元共有型マーケティングを考える『ジェネラティビティ・ラボ』も主宰している。

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