その上で、責任者を決め、複数人で運営したほうがいいとして、その目的に応じて(1)キャラクター設定をして複数の担当者でそれを演じる、(2)キャラクター設定をせずに各担当者の個性を出す、(3)個性を出さずに淡々と情報を伝えるという選択肢を示している。
筆者としては、「ユニクロ」のようなセール情報だけを淡々とリリースするTwitterの利用法なら(3)の無個性で構わないと思うが、さりとて(2)の担当者の個性に依存するのも、誰もが「加ト吉」の名物部長ではないのでムリだと思う。故に、(1)のキャラクター設定がキモとなるのだ。
■広報部 川口恵子 29歳 趣味はバーゲン巡り
「ペルソナ(persona)」とは本来、「仮面」とか「登場人物」という意味を持つ言葉だ。ポスト・モダンマーケティングの手法で、仮想の人格を詳細に作り上げ、リアルなターゲット像を構築することに用いられる。また、ネットマーケティングにおいても、自社サイトのユーザー像を明確化して、ユーザビリティーの向上や、コンテンツやサイト全体のあるべき姿を検討する際に用いられる。
本来のペルソナ構築手法は、市場調査などの定量データにユーザーインタビューなどの定性データを加え、最後には仮説と想定を重ねて、一つの人物像を作り上げていく気の長い作業である。(構築手法は各種書籍やサイトで紹介されているため、今回は割愛する)
ペルソナを作り上げると、ターゲット像が極めてリアルになることによって、ターゲットのニーズや課題、購入動機などが理解できるようになり、今まで漠然としていたターゲット像とのギャップを埋めることができるようになる。また、従来「ファミリー層」「シルバー層」などというひと言で括ってしまっていたターゲット像を具体的な個人として意識できるようになり、その行動もよりリアルに想定できるようになるという大きなメリットがある。
そして、関係者一同がターゲット像を共有しやすくなることから、マーケティングプランの全体の策定などや、より詳細な販促プランへ落とし込みをする時でもブレがなくなる。ターゲット像が明確でないと、各々が過去の経験に縛られたり、自分にとって都合のよいタイプをターゲットとして設定したりしがちになる。それを防止する効果があるのだ。
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