頭のいい人と平凡な人で違う「頭の使い方」の差 自分の周りに置き換えると本質が同じと気づく

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たくさんの情報を頭の中に流していると、前に見た情報とは矛盾した情報が見つかることもあります。

例えば、いろいろな本を読んでいたら、あせって失敗するという話と、のんびりしていたら失敗するという2つの矛盾した話が出てきたとします。そうすると「この違いはどこから来ているのだろう」という、別の「なぜ?」が生まれてくるわけです。また、さらに別の情報に当たると、「気がはやったおかげで成功した」「決断を遅らせたのがよかった」という話も見つかるかもしれません。

情報同士が矛盾しているように見えたり、原因がよくわからなかったりするかもしれませんが、新しい情報が見つかるたびに、「では、どういうときに決断を急ぐべきなのか?」「時流に遅れたはずの会社が、なぜ最終的に勝者となったのか?」というように、新しく問題意識を追加していくことが重要なステップでしょう。

1つの答えが出るたび新しい問題意識が生まれる

自分なりの解決策を考え出したとしても、たいていの場合はそこで終わらないのです。問題意識に対する部分的な解決策がもたらされると同時に、新しい問題意識(問いかけ)もまた生まれてきます。ときには、せっかく大量の情報を頭の中で熟成させてきたのに、解決策がほとんど見つからず、新しい問題意識しか生じない場合もあるのです。

さらに、新しく生まれた問題意識に対して別の情報が入ってくると、再び新しい問題意識と新しい解決策に分かれていきます。つまり、考えるという行為は、こうした繰り返しがずっと続いていくことをイメージするといいかもしれません。

このように、1つの答えが出るたびに、新しい問題意識が生まれるのですから、考えることに終わりはないのです。

また、解決策と思っていたら、実はそれがうまくいかなかったということもあるので、その場合はまた別の問題意識が生まれます。

難しい問題であればあるほど、100%の解決策は簡単には見つかりません。

結局は問題意識が頭の中で変容しながら、進んでいくことになります。それでも、良い情報を取り入れてよく考えることによって、自分なりの解決策が少しずつ導き出され、問題意識はより高度なものに進化していくのです。

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