扇風機、DC型人気が起こす価格上昇の風 省エネを武器に家電量販店の売り場を席巻
格安商品の人気が根強い家電売り場で、じわりと価格を上げている製品群がある。扇風機である。
市場調査会社のGfKジャパンによると、扇風機の平均価格は2010年度まで3000円台後半で横ばい傾向だったが、2011年度から上昇に転じ、2013年度には5000円近くまで上がった。
価格上昇を牽引しているのがDC(直流)モーター型の扇風機だ。家電量販店の店頭には、DC型である点を前面に押し出した扇風機がずらり。同型は従来のAC(交流)モーター型より高価格で、2万円前後の製品も数多く並んでいる。
DC型の最大の売りは省エネ性だ。AC型より消費電力が少なく、電気料金を節約できる。また、モーター音が静かなのも特長で、就寝時の利用でも気にならない。出力や速度の制御がしやすく、風力も細かく設定可能だ。
震災後に市場が一変
かつて扇風機といえば、量販店に並ぶ「格安商品」の象徴だった。風を送るというシンプルな機能では差別化が難しく、価格下落が進行。店頭には1000円を切る扇風機も並んだ。
だが、東日本大震災を契機に市場が一変。電力不足が深刻化する中、消費電力の大きいエアコン利用を見直す人が急増した。その“代替品”として脚光を浴びたのが扇風機、中でもDC型だった。
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