自分は副業ができないと諦める人の3つの誤解 思い込みを捨てればさまざまな可能性が広がる
とくに自身の専門領域をまとめるのはお金にも勉強にもなる。現在では、アマゾンのKindleを使えば無料で自費出版が可能だ。しかも印税率を販売価格の70%に設定できる。私も試しに自分でやってみたが、驚くほど簡単に出版できた。しかも専門領域であれば、比較的に高価でも買ってくれる人は多い。
数年前に、ある大手ウェブメディアの編集長とこんな話をしたことがある。媒体の新たな書き手をいかに発掘するかがテーマだった。
私は「もし日本の田舎に、ものすごく優秀な書き手がいたとします。どうやって、彼や彼女を発掘しますか」と訊いた。編集長の回答は明確で「ブログをやって人気になったら目立つかもしれません。でも、なかなかこちらから声をかけるに至らないケースは多いですね」だった。
売り込みがあれば検討の対象にはなる
「『書きたい』と売り込んでくる人はいるんですか」と私が聞いたら。「まず、売り込んでくる人はかなり少ないです。たまにいたら、どんな経歴でどういう実績があり、どんな内容の記事が書けるかなど、提案の中身を検討します。不採用になるケースが大半ですが、検討する対象にはなります。媒体特性に合って、中身のしっかりした魅力的な文章を書ける人だったら、無名でも書いていただく可能性はゼロではありません」との答え。示唆的だった。
なるほど、多くのビジネスパーソンは会社勤めに慣れすぎていて、なかなか自分自身を売り込もうとしない。副業をはじめたら、勝手にお客が集まってくると勘違いしてしまう(誤解③)。
しかし世の中の大半の人は、ほとんどその人のことを知るはずもなく、偶然にSNSで見つけるかもしれないが、ぜひ積極的な売り込みが必要だ。私の例で恐縮だが、2005年から前述のようなPDFなどを販売した経験があったので、こんどは出版してみたいと思った。現在、私は36冊を出版しているが、もともとは出版社への売り込みだった。当時は、出版社の名前を「あ」から五十音順に企画書を出していって、「に」の日刊工業新聞社で処女作の出版が決まった。なるほど、売り込めば副業の道は開けると理解した。
そして重要なことは、副業を通じて本業が好きになったことだ。正直にいえばもともと本業が好きではなかったものの、調べてさまざまな人にあったり調査したりするうちに同分野でなぜか第一人者と思われたり、自分も仕事が好きになったりした。
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