うつになる若者たち--増える「依存型うつ病」の真実 町沢静夫著

うつになる若者たち--増える「依存型うつ病」の真実 町沢静夫著

深刻な不景気によって、うつ病患者のさらなる増加が危惧されていることをご存じだろうか。
2008年度の厚生労働省の調査で、精神障害の労災が認められた人数は過去最悪に上る。「リストラ」や「残業の増加」などのストレス要因が、うつ予備軍をも増やしているという。

注目すべきは、男女ともに働き盛りの30~40歳代という比較的若い世代が、増加数のピークに達することだ。しかも、「依存型うつ病」と呼ばれる新しいタイプのうつ病患者が増えている。食欲は旺盛で、よく眠り、イベントや飲み会に参加するなどのうつ病とは思えない派手な行動をとる一方で、感情が沈み込みやすく、会社に行けない、仕事はできないなどの症状を示す。

本書では、30~40歳代はビジネスの最前線に立たされ、重い負担がのしかかる世代であるという現状と、依存心が強く、打たれ弱い若者を作り上げてしまった現代社会の背景が、うつ病の低年齢化の原因だと指摘されている。

豊富な経験を有する精神科医の筆者による、最新治療やうつ病予防の解説書としても読める。誰でもがかかる可能性がある病との付き合い方を把握し、うつ病というテーマからストレスの多い現代社会を見つめ直せる1冊だ。
(フリーライター:沼 由美子=東洋経済HRオンライン)

海竜社 1365円

  

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