4月に猛烈台風が生まれた今年、警戒すべきこと 発信始まる「線状降水帯に関する情報」に注目
台風の勢力についてポイントとなる海面水温。
今年は2月から気温が高くて春は日照時間も長かったため、地表だけでなく海も暖められて日本付近の海面水温が高いです。
海面水温は地球規模で上昇していて、昨年は統計を開始した1891年以降で3番目に高くなりました。さらに、日本近海の昨年までの約100年間の海面水温の上昇率は世界の約2倍となっています。
海面水温が高いほど台風は発達しやすいため、台風が日本付近まで発達しながら進んできて接近や上陸したり、日本のすぐ近くの海上で発生したりするおそれがあるでしょう。
今年の梅雨も大雨のおそれ
そして、本格的な台風シーズンの前には梅雨があります。
昨年は梅雨の期間が長く、九州を中心に西日本から東北の広い範囲で大雨となり、熊本県の球磨川など大きな河川が氾濫して大規模な浸水が発生する甚大な被害がありました。この「令和2年7月豪雨」では、九州の5県、岐阜県、長野県の7県に大雨特別警報が発表されました。
日本付近に停滞し続けた梅雨前線に湿った空気が流れ込み、複数の線状降水帯ができたことが、降水量が多くなった主な原因です。
気象庁は、今年の梅雨時期から「線状降水帯に関する情報」の発表をスタートする予定です。
線状降水帯とは積乱雲が次々に発生して連なり組織化されたもので、集中豪雨を引き起こすおそれがあります。2014年に広島県で大規模な土砂災害が発生した豪雨の際に、そのメカニズムの線状降水帯に焦点が当てられて以降、急速に認知度が上がって一般に使われるようになりました。
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