「老後破産の危険度」がグッと増すパターン3つ

70歳以上の「平均」資産保有額は高いけれど…

「いや、自宅を売れば大丈夫!」と思っている人もいるかもしれません。自宅を売却して、コンパクトな家に移り住むという選択肢です。

残念ながらこれも簡単ではありません。あなたの家を売り出した場合、いったいいくらになるでしょうか。もしあなたが30歳のときに購入した戸建てであれば、築40年です。

建物の価値はほぼありません。売却価格は、ほぼ土地の価格となります。あなたが住んでいる所が「住みたい街」として人気がなければ、土地の価格も下がっている可能性が高いのです。

自宅を売却できたとしても、住む場所がありません。自分の子どもが住んでいるところに同居すれば問題は解決します。しかし、世の中の家族関係は複雑化しており、子どもの配偶者が喜んで同居に賛成してくれるとは思えません。

70歳を超えると雇ってもらえる職場は限られ、仮に働き口が見つかったとしても給料はあまり期待できる数字ではありません。赤字分を月々10万円のアルバイト収入で賄うことも考えられます。時給が1000円だとすると、毎日5時間×20日間で達成できます。

数字だけ見れば達成はそんなに難しくないようにも思えそうですが、心身ともに健康という条件がついてきます。また、70歳は老化が確実に進んでいて、現役時代とは比べものにならないくらいパフォーマンスが落ちています。働いて赤字分をすべて補うという選択肢は、現実的には難しいでしょう。

だからこそこのタイミングで、資産の棚卸をする必要があります。

老後破産の3大原因

そもそも老後は、現役時代と違って毎月の家計が赤字になりやすい構造になります。ここで、老後破産が起きやすい3つのパターンをご紹介します。ぜひ、自分の置かれた(ないし、置かれそうな)状況と照らし合わせて読み進めてください。

【パターン1】年金収入が少ない

年金は、現役時代の努力の結果です。どんなに稼ぎ続けていても、年金を納付していないと老後はもらうことができません。サラリーマンでも転職で、年金を払っていない期間がある人は多いもの(私も自営業時代は年金を納付していませんでした)。自営業だと、医師や弁護士という比較的高額所得となる職業でも、年金の受給額は少ないのです。

65歳での年金の平均受給額は14万7000円。元気なうちは働くことによって余裕がある生活を送れますが、貯金が300万円だけだとあっという間に底をつきます。老後は、働いて稼ぐ力が年々弱まるので、年金額が少ないことは破産するパターンとなる確率が高いのです。

年金を22万円もらう予定が、65歳時のまさかの熟年離婚によって年金も分配対象となり、月13万円で1人暮らしになってしまった事例もあります。

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