遊覧飛行に花火大会「修学旅行」がコロナで変貌 都立高校は2020年度の実施「ゼロ」だったが…
修学旅行生たちのアテンドを行っている市産業史料館主任学芸員の齋藤優介さんに、市の受け入れ態勢などについて話を聞いた。
「市の観光振興政策として産業観光に力を入れようと、モデルコースのセッティングや当日のアテンドを行うナビゲーターを2017年度から配置し、工場の視察・見学も受け入れてきました。2019年には産業史料館をリニューアルし、展示品を見るだけでなく思い出の品を手作りする体験コーナーを設けました。
そうした環境が整ったころにコロナ禍となり、遠方への旅行ができなくなりました。ちょうどマイクロツーリズムへの注目もあり、体験旅行ができる燕市を学校に勧めてくれる旅行代理店が増えてきました。
それ以外にも、燕市の魅力をご存じの先生が、生徒にも体験させたいという熱意で旅行先を変更された学校もあります」
子どもたちは同じ県内に住んでいながら、実は地元の誇る産業のすばらしさに気がついていないケースが多い。教員経験もある齋藤さんがこう振り返る。
いつか地元に帰ってきてくれたら
「燕市の子どもたちを見ていても、小学校1年生のときは“燕市サイコー”だったのが、5年生になると“ビミョー”となり、高校生になると“渋谷サイコー”となってしまうんです。東京情報が過多で、地元のよさ、価値、魅力に気がつかないんですね。それは燕市だけでなく県内のほかの地区でも同じことです。そうした子どもたちに、燕市への修学旅行を通じて地元の魅力に気づいてもらい、進学で県を離れても、やがて地元に帰ってきてくれればという思いがありますね」
体験活動やモノづくりの現場をじっくり見学した子どもたちが、ふるさとの魅力をどう感じ取ったのか。予定されていた東京への旅行では、けっして味わうことができない貴重な体験になったことだけは間違いない。
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