遊覧飛行に花火大会「修学旅行」がコロナで変貌 都立高校は2020年度の実施「ゼロ」だったが…
訪問国・地域は30以上にわたり、高校では台湾が最多で334校(全体の31%)、中学校ではオーストラリアが最多で39校(28%)だった。私立高校ではUAEやニューカレドニア、ギリシャ、チェコ、フィンランドといった訪問国の名前も。費用も高額だ。
私立高校で見ると、全国の平均額は24万2946円だが、最高額はなんと60万円(訪問国はオーストラリア)となっている。昭和世代の筆者には、信じられない“光景”である。
もっとも、そんなグローバル修学旅行も2020年度は、昨年春の一斉休校や緊急事態宣言の影響ですっかり消えてしまった。
東京や沖縄の代替地に選ばれたのは?
では、2020年度に修学旅行を実施した学校は、どんな旅行プランを組み立てたのだろうか。昨年から今年にかけてのニュースを拾っていくと、注目すべき現象が見えてきた。
前年度実績ゼロの地方都市に、コロナ禍に見舞われた2020年度は県内外から3257人の児童・生徒が修学旅行で訪れた。全国のスプーンの95%を製造しているという、世界に誇る金属洋食器の街として知られる新潟県の燕市である。
2020年度の受け入れ件数は小学校23、中学校33、高校11、特別支援3の合計70件。県内が59件で、県外は長野、福島、山形、富山などの近隣県だ。
その勢いは続いていて、取材した4月14日も県内から5校が訪問し、担当者は応対に追われていた。修学旅行生たちの多くは、市産業史料館でのモノづくり体験や市内の工場見学を組み合わせたコースを巡る。
昨年秋、予定していた東京への修学旅行を取り止め、燕市に変更した県内の小学校は、6年生が市産業史料館でスプーンの変色体験や、市内のIHクッキングヒーター対応鍋の製造企業見学などを通して地場産業の魅力に触れた。
そんな子どもたちに、市は修学旅行土産用の特製スプーンを提供して歓迎した。
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