中国政府がアリババに巨額の罰金を科す狙い これ以上自由にはさせないというメッセージ
上海にあるチャイナ・スキニーの創業者、マーク・タナー氏は「アントに関するルールとアリババへの28億ドルの罰金で、中国大手テクノロジー企業の黄金時代は終焉(しゅうえん)を迎えた。それほど強く狙われなかった企業であっても、拡大戦略をトーンダウンさせ、事業の構成要因を制約のある新たな環境に適応させつつある」と述べる。
これまで厳しい検証を受けていなかったテンセントや美団、拼多多(ピンドゥオドゥオ)も成長の機会が制限される可能性が高いということだ。
中国政府は権力維持を脅かす独占を一切容認しない
北京の投資銀行、香頌資本の沈萌ディレクターは「無謀な拡大と荒々しい成長の日々は永遠に過ぎ去った。これからはこうした企業の発展は厳しい政府の管理下に置かれる公算が大きい。近くそうなる」と分析。「非中核事業を合理化し、業界全体への影響力を小さくするという現実を企業は直視しなければならなくなる。アリババとアントのケースを参考にして、同業企業は事業再編の取り組みをするよう促される」と語る。
最も捉え難く恐ろしい脅威は、ここ数日の間に当局が発表した簡潔な原則の中に潜んでいる。中国政府はその権力維持を脅かす独占を一切容認しないというものだ。
中国人民銀行(中央銀行)は以前公表した規制案で、ノンバンクの決済企業がオンライン取引市場の半分、もしくは2社で計3分の2を占める場合、独禁法調査の対象となり得ると警告。独占が確認されれば、企業分割を含む極めて大きな罰則を科す権限を国務院が行使できるというもので、これこそ起業家にとって究極の悪夢だ。
「誰もが規制当局の監視下にあり、それは実のところ各社に対応を促す。当局に命じられた事業再編に従わなければならなくなるより、率先して自ら是正に取り組む方がましだ。企業にとって最善の利益を当局が念頭に置くことはないだろう」と沈氏はみている。
原題:Jack Ma’s Double-Whammy Marks the End of China Tech’s Golden Age(抜粋)
著者:Bloomberg News
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