中国政府が馬雲(ジャック・マー)氏のインターネット帝国を狙い撃ちし、矢継ぎ早に罰金処分や命令・指導を行っている。こうした措置の意味合いが完全に判明するのにはまだしばらくかかるだろうが、1つ確かなことがある。中国で生まれた大手テクノロジー企業の輝ける日々は終わったということだ。
中国当局が国内のネット関連大手34社を呼び出す
ここ数日、政府は自らの権限は永遠だと国内のテクノロジー業界に刻み込んだ。馬氏が創業したアリババグループは独占禁止法に違反したとして28億ドル(約3050億円)の罰金が科され、アリババ傘下のフィンテック企業アント・グループは金融持ち株会社になるよう抜本的な改革が命じられた。
13日になるとアリババやテンセント・ホールディングス(騰訊)、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の北京字節跳動科技(バイトダンス)を含む国内のネット関連大手34社が当局に呼び出され、「法律のレッドラインに触れてはならない」と告げられた。
馬氏らに発せられたメッセージは、米国のフェイスブックやグーグルに挑戦する企業を生み出してきた制約のないネット業界の拡大期は終わったというものだ。アリババやアント、テンセントといった企業が優れた財務力と膨大なデータで、古くからある企業を圧倒できた日々は終止符を打ったのだ。