韓国大統領選、ソウル市長選で野党圧勝の混迷 文在寅大統領率いる与党・革新政権は窮地に

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4月8日、ソウル市長選で勝利し、当選を祝う呉世勲候補と支持者ら(写真:EPA=時事)

2021年4月7日に実施された韓国・ソウル、釜山両市の市長選挙で、最大野党「国民の力」の候補が圧勝した。これにより、2022年3月に行われる大統領選の行方が混沌としてきた。

ソウル市長選挙では、「国民の力」の呉世勲(オ・セフン)候補が57.5%の得票率を獲得して当選。釜山市では同党の朴亨埈(パク・ヒョンジュン)候補が得票率62.6%を得て当選した。

呉氏はソウル市長の経験者で、10年ぶりに市長に返り咲いた。朴氏は元大統領府政務首席秘書官などの経歴がある。任期は両市長ともに2022年6月30日まで。

想定を超える与党の敗北

今回の両市長選は、ともに与党側の現職市長が職員に対してセクハラを起こしたことがきっかけとなった。前職のソウル市長だった朴元淳(パク・ウォンスン)氏はスキャンダルを苦にして自殺。釜山市長だった呉巨敦(オ・ゴドン)氏も辞職し、補欠選挙となった。

そのため、もともと与党側に不利な選挙戦だったが、刮目すべきは野党である「国民の力」候補の勝ちっぷりだ。

ソウル新市長の呉氏は与党「共に民主党」の朴映宣(パク・ヨンソン、女性)候補に対し約19ポイント、釜山市の朴氏は同じく与党の金栄春(キム・ヨンチュン)候補に28ポイント差を付けた。野党候補にとっても想定を超える大勝だ。

東洋経済プラスの連載「混迷 韓国大統領選」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。今後も韓国大統領選に関わる記事を随時取り上げていきます。

韓国大統領選、「ソウルで野党圧勝」の混とん

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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