一方の新幹線は専用線を走る、ATC(自動列車制御装置)を使って運行する、厳格な軌道管理を行っているといったことから、衝突事故や脱線事故は起きないという前提で車両を設計している。衝突や脱線に対する考え方が根本から異なるのだ。また、新幹線車両は省エネ、環境性能、線路のメンテナンスなどの観点から車両を軽量化している。その結果、アメリカの安全基準が求める車両の軸重と新幹線の軸重は、条件によっては3倍もの差が生じることもある。
「アメリカの安全基準に合わせるとN700車両の設計が完全に否定され、新たに車両を設計する必要がある」と、JR東海海外高速鉄道プロジェクトC&C事業室の南智之担当部長が説明する。しかし、衝突耐性を考慮して車両を設計し直すと、重量が大幅に増加し、台車、ブレーキ、主回路などさまざまな設計の変更に迫られる。これでは、新幹線が培ってきたノウハウがまったく役に立たなくなる。
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