「コロナで買いだめ」1年間の分析で見えた現実 1年前店頭から消えたトイレットペーパーの今
インテージによれば、「実は1人あたりが購入した量はほとんど増えていないうえ、購入した人の人数が1割程度増えただけ」だったという。
普段は一家の中で主婦などが主に購入していたのに、気を利かせて夫や子どもたちも買って帰ったという程度で、一家総出で出動し、1人ひとりが何個も買い込んだというわけではなかったのだ。
それでも店頭から蒸発したのは、いずれもかさばる商品だけにバックヤードの在庫量を最小限度にとどめる商品なので、少し買う人が増えただけで欠品になってしまったということらしい。
買いだめ対象になっていた備蓄可能な商品
食品部門のワーストリスト上位にも、軒並み去年買いだめ対象になって、店頭から消えた商品が勢ぞろいした。
1位が畜肉缶詰(52.5%)、2位が乾麺(58.5%)、3位が米(58.7%)、同率3位スパゲティー(58.7%)、5位が魚介類缶詰(59.7%)、6位が袋インスタント麺(60.0%)、7位が育児用ミルク(62.3%)と、備蓄可能な商品が並んだ。
ただ、全品目でのワーストランキングだと一番高い畜肉缶詰でも18位。反動減の幅は雑貨のほうが大きい。トイレットペーパーは代用できるものがないが、食品は分散するから、炭水化物系の食材が広く軒並み店頭から消えたということなのかもしれない。
類似商品同士では何が人気だったのかも調べてみたくなり、この1年3カ月の動向のグラフは畜肉系缶詰と魚介系缶詰で1点、炭水化物系3品目で1点、それに袋インスタント麺とカップ麺で1点、作ってみた。
まず畜肉VS魚介の缶詰対決では、畜肉に軍配が上がった。畜肉の代表格はコンビーフ。ノザキが「巻き取り鍵」式の缶の販売終了を発表したのが昨年1月15日だ。
まだコロナ影響は出ていなかったこの時期から畜肉缶詰は販売が急伸したので、年間通しての善戦はこの影響かもしれない。供給量の問題もあるが、サバ缶ブームもコンビーフ缶の“引退特需”には勝てなかったということか。
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